固定比率へ戻すリバランスの頻度や閾値の違いは成績にどう影響すると報告され、費用や税の影響は測られていますか
結論
方法間の経済的な差は小さいという報告があります。ただし、米国・英国・ドイツの株式と債券によるリスク調整後成績の比較です。具体的な頻度や閾値、取引費用の扱いは未確認で、日本の実現益課税まで差し引いた評価は示されていません。
Dichtlほか(2014)は、米国・英国・ドイツの過去データを使い、周期型・閾値型・範囲型のリバランス(再均衡)を買い持ちと比較しました。すべての方法がシャープレシオ、ソルティノレシオ、オメガ指標で買い持ちを上回る一方、三つの方法の選択による経済的な差は小さいと報告しています。
この結果は、毎日と毎月のどちらがよいか、何%のずれで戻せばよいかを直接答えるものではありません。原典の要旨には、標本期間、具体的な実施間隔、閾値幅、取引費用の扱いが記載されていません。
Cuthbertsonほか(2016)は、理論とシミュレーションから、分散リターンとリバランス固有の収益の混同が、過大な取引費用につながり得ると指摘しました。ChengとMadhavan(2009)は、別の対象であるレバレッジ型ETFについて、費用と税制上の非効率による成績の押し下げを論じていますが、税引き後の効果量は未確認です。
リスク調整後の指標、費用控除前の成績、課税後の手取りは、それぞれ別に確認する必要があります。
参照した研究
- 欧米の株式・債券で、三種類の方法間の経済的な差は小さいと報告 台帳のレコードを見る
- 収益概念の混同が過大な取引費用につながる可能性を指摘 台帳のレコードを見る
- レバレッジ型ETFの費用と税の負担を論じるが、税引き後の効果量は未確認 台帳のレコードを見る
限界
1570と1321の組合せについて、頻度・閾値別に売買手数料、信託報酬の差、日本の実現益課税を差し引いた比較は示されていません。欧米の比較から国内の実施間隔や閾値を選ぶ根拠は不足しています。