株・債券に「値動きの大きさへ連動する商品」を加える分散効果
Diversification with Volatility Products
Carol Alexander、Dimitris Korovilas、Julia Kapraun(2016)『Journal of International Money and Finance』
ひとことで言うと
ボラティリティ商品は計算上の分散効果が期待されても、高い先物乗換費用などにより、実現した利点は銀行危機の局面を除いて乏しかったと報告します。
図で読む:この研究は何を比べたか
費用を入れる前と後で、分散効果はどう変わるか
計算上
分散効果が期待される
ロール費用・取引費用を反映
実現成績
危機局面以外では利点がほぼ消える
利益への距離
- 観測された差
-
一部のみ
特定の米欧標本では局面により結果が分かれた。
- 取引費用
-
一部のみ
費用を含む比較だが統一効果量は未採録。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本の商品は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
株と債券だけでは金融危機時に同時下落する恐れがあります。そこで値動きが荒い時に上がりやすいボラティリティ先物を加える案がありますが、事前に計算した分散効果が、契約の乗換費用を払った後にも残るかを調べます。
どうやって調べたのか
2006年1月から2015年4月の米国・欧州市場を使い、最小分散、平均分散、ブラック・リッターマンという三つの配分法で、ボラティリティ商品を持つために必要な期待収益率を計算します。毎月組み替え、株・債券だけの配分や商品を加えた配分と実現成績を比べます。
何が分かったのか
計算時点ではボラティリティを加える案が有利に見える場面が多い一方、実現成績では高いロール費用と取引費用が利点をほぼ消しました。取引所上場のボラティリティ商品が有効な分散先になったのは主に銀行危機の局面で、それ以外では比較対象を下回る傾向でした。
この結果をどう読めばよいか
ボラティリティ上昇時に利益が出ることと、長期の分散先として有利なことは別です。先物は期限ごとに乗り換えるため、指数の上昇をそのまま受け取れません。また対象は特定期間の米欧市場と三つの配分モデルであり、現在の日本の商品へ同じ結論を移せません。
- 対象市場
- 米国・欧州
- 標本期間
- 2006-01
〜2015-04 - 対象銘柄群
- 米国・欧州の株式、債券、ボラティリティ先物、商品
- 観測頻度
- 論文ごとの分析頻度(書誌・抄録では詳細未確認)
- 再現性
- 未評価独立した追試研究との対応は未評価。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
変動率商品を株式・債券ポートフォリオへ加えた場合の事前および実現分散上の分散効果を検討する。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表・定義まで検収していないため未収録。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1016/j.jimonfin.2016.03.002