大幅な黒字・赤字の発表後も、株価は同じ方向へ動き続けるか
Post loss/profit announcement drift
Karthik Balakrishnan、Eli Bartov、Lucile Faurel(2010)『Journal of Accounting and Economics』
ひとことで言うと
極端な赤字企業は決算後も下がり、極端な黒字企業は上がる傾向が120日間続き、既知の会計アノマリーだけでは説明し切れないと報告します。
図で読む:この研究は何を比べたか
大幅な黒字企業と赤字企業の決算後を比べる
極端な赤字群
決算後も下がる方向
四半期利益の大きさ
極端な黒字群
決算後も上がる方向
利益状態の持続を価格が遅れて反映
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国標本で両群の差を確認。
- 取引費用
-
一部のみ
費用等を検討したが空売り実装には制約。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本株は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
現在の大幅な損失や利益は、次の四半期も同じ状態が続く確率を変えます。市場がその持続性を決算日に十分読み込まなければ、極端な赤字企業は発表後も下がり、極端な黒字企業は上がり続ける可能性があります。この遅れが実際にあるかを調べます。
どうやって調べたのか
1976〜2005年の米国企業の四半期決算を使い、損失・利益の大きさで企業群を作り、発表後120日間の異常リターンを追います。既知の会計アノマリー、企業規模、財務困窮、空売り制約、取引費用、市況や時期の違いを考慮しても差が残るかを検討します。
何が分かったのか
極端な赤字企業は発表後120日で約マイナス6.58%、極端な黒字企業は約プラス3.55%の異常リターンを示しました。黒字群を買い赤字群を売る差は既知の会計アノマリーに追加的で、将来の損失・利益が続く確率を価格がゆっくり織り込む説明と整合します。
この結果をどう読めばよいか
報告値は過去標本のリスク調整後平均で、現在そのまま得られる売買収益ではありません。特に赤字企業の空売りには制約と費用があります。また価格反応の遅さと整合する結果でも、投資家がどの情報を誤読したかという因果経路を一つに確定してはいません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1976
〜2005 - 対象銘柄群
- 米国上場企業の四半期利益発表
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
極端な損失または利益の発表後に同方向の異常リターンが続き、既存の会計アノマリーだけでは説明し切れないと報告した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1016/j.jacceco.2009.12.002