分散リターンと資産の寄与
Diversification Returns and Asset Contributions
David G. Booth、Eugene F. Fama(1992)『Financial Analysts Journal』
ひとことで言うと
一定比率ポートフォリオの複利リターンを分散の追加分と資産ごとの寄与へ分けて考えた理論研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
分散リターンを資産の寄与へ分ける
- 一定比率で持つ各資産へ一定の割合を配分するポートフォリオを考える。
- 複利成績を比べるポートフォリオと構成資産の複利リターンを比較する。
- 分散の差を捉える加重平均を上回り得る差を分散による追加分として整理する。
- 資産へ割り当てる各資産の寄与を分散と共分散から近似する。
利益への距離
- 観測された差
-
対象外
実証戦略ではなく、分散リターンの理論的な定義と分解である。
- 取引費用
-
未確認
取引費用を含む実現成績は検証されていない。
- 再現性
-
未確認
理論の独立した追試は本レコードでは評価していない。
- 日本市場
-
未確認
日本市場の実証標本への適用は検証されていない。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
複数資産を一定比率で持つポートフォリオの複利リターンは、各資産の複利リターンを単純に加重平均したものと同じなのか。差があるなら、その差を資産ごとの寄与へどう割り当てられるかを問います。
どうやって調べたのか
各資産へ一定の割合を投じるポートフォリオを出発点に、資産単独とポートフォリオの複利リターンを数式で比較します。資産の平均リターンと分散、ポートフォリオの分散を共分散の組み合わせとして整理し、資産の寄与を近似する考え方を示します。
何が分かったのか
一定比率ポートフォリオの複利リターンは、構成資産の複利リターンの加重平均を上回り得ると整理されました。その差は分散による追加的なリターンと解釈され、資産の寄与は単独資産の分散だけでなく、他資産との共分散を使う方がポートフォリオ全体との関係を表しやすいと説明されます。
この結果をどう読めばよいか
この研究は分散リターンと資産寄与の定義・近似を示す理論的な整理であり、特定市場の実証効果を推定したものではありません。資産の比率、値動きの関係、期間、費用や税を含む現実の条件によって、実際に観測される差は変わり得ます。日本市場への直接適用も検証されていません。
- 対象市場
- その他
- 標本期間
- 未確認(理論研究であり実証標本はなく、出版社抄録に標本期間の記載がないため)
- 対象銘柄群
- 理論研究であり実証標本は無い。各資産へ一定比率を配分するポートフォリオの複利成績を扱う。
- 観測頻度
- 連続期間の複利リターン
- 再現性
- 未評価分散リターンの独立した追試や別の市場標本での再検証は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場の標本を用いた検証ではなく、日本の資産への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
分散リターン
一定比率ポートフォリオの複利リターンは、構成資産の複利リターンを加重平均したものを上回り得て、その差を分散による追加的なリターンとして説明する。
効果量未掲載(not_reported)
出版社抄録は関係の方向を示すが、単一の効果量は記載していない。
資産の寄与
資産のポートフォリオへの寄与は、その資産単独の複利リターンよりも、ポートフォリオの分散への寄与を反映する形で近似できる。
効果量未掲載(not_reported)
抄録に近似の考え方はあるが、値欄に置ける数値効果は示されていない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- CFA Instituteの出版社抄録ページhttps://rpc.cfainstitute.org/research/financial-analysts-journal/1992/faj-v48-n3-26
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.2469/faj.v48.n3.26