オプションの予想変動を加えると最小分散配分は改善するか
Optimal Asset Allocation Using a Combination of Implied and Historical Information
Chi Wan Cheang、Jose Olmo、Tiejun Ma、Ming-Chien Sung、Frank McGroarty(2020)『International Review of Financial Analysis』
ひとことで言うと
リスクプレミアムを補正した含意分散は、過去分散と未補正の含意分散より予測・配分性能が良く、過去情報との組合せも標本外の最小分散運用を改善しましたを明らかにした研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
過去だけの配分と、市場予想を加えた配分を比べる
過去データのみ
履歴から配分を推定
期待値の作り方
市場予想を加える
織り込み情報を配分へ反映
標本外の配分成績を比較
利益への距離
- 観測された差
-
一部のみ
対象資産・期間の標本外比較。
- 取引費用
-
未確認
費用後成績は未確認。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
過去データだけで共分散を見積もる代わりに、オプション価格が示す将来変動を利用すれば、複数資産の最小分散ポートフォリオの標本外性能を高められるかを検証します。未補正の含意分散とも比べます。
どうやって調べたのか
1996~2016年の株式、債券、代替資産、現金を扱います。オプションがある資産には含意分散、ない資産には過去分散・相関を使う条件付き共分散行列を作り、リスクプレミアム補正の有無とリバランス頻度を比較します。
何が分かったのか
リスクプレミアムを補正した含意分散は、過去分散と未補正の含意分散より予測・配分性能が良く、過去情報との組合せも標本外の最小分散運用を改善しました。複数の資産構成と評価尺度で確認しています。
この結果をどう読めばよいか
結果は最小分散という目的と、オプション価格が得られる資産を含む構成に対応します。期待収益を重視する投資家やオプションのない市場で同じ優位性は保証されず、推定とリバランスの費用も実装時に必要です。
- 対象市場
- グローバル
- 標本期間
- 1996
〜2016 - 対象銘柄群
- 株式・債券・代替資産・現金の複合ポートフォリオ。期間は概略
- 観測頻度
- 論文ごとの分析頻度(書誌・抄録では詳細未確認)
- 再現性
- 未評価独立した追試研究との対応は未評価。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
オプション含意分散と過去分散・相関を組み合わせた共分散推定が、標本外の最小分散配分を改善するか検討する。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表・定義まで検収していないため未収録。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1016/j.irfa.2019.101419