価格変動が生む金融成長
Volatility-induced financial growth
Michael A. H. Dempster、Igor V. Evstigneev、Klaus R. Schenk-Hoppé(2007)『Quantitative Finance』
ひとことで言うと
価格変動は成長の妨げとは限らず、固定比率で資産を組み替える理論では成長を加速し得ると示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
価格変動が金融成長へ入り込む道筋
- 価格が変動する複数資産の価格過程が時間とともに動く。
- 比率を保つ資産を固定比率で保有し、価格変動の中で組み替える。
- 成長へ結び付く変動性が金融成長を加速する内生的な要因になり得る。
利益への距離
- 観測された差
-
対象外
実証的な収益戦略ではなく、価格過程と成長の理論研究である。
- 取引費用
-
未確認
取引費用を控除した実現成績は評価されていない。
- 再現性
-
未確認
理論結果の独立した追試は本レコードでは評価していない。
- 日本市場
-
未確認
日本市場の価格データや制度への適用は検証されていない。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
価格の変動は通常、資産を増やしにくくする不確実性として扱われます。それでも複数資産を一定の比率で保有し続けると、変動そのものが金融資産の長期成長へどのように関わり得るのかを問います。
どうやって調べたのか
価格過程を一般的な確率モデルで表し、各資産の成長率と価格変動を固定比率戦略の富の推移に結び付けます。市場の価格が時間とともに動く条件の下で、変動性が成長へ入り込む仕組みを理論的に整理し、固定比率での組み替えを分析します。
何が分かったのか
価格過程の変動性は、金融成長に対する単なる障害ではなく、その加速へ寄与する内生的な要因になり得ると示されました。したがって、個々の資産の成長率だけを見ていると、複数資産を一定比率で組み合わせたときの成長の仕組みを捉えきれない可能性があります。
この結果をどう読めばよいか
ここで示されるのは価格変動と固定比率戦略の関係を説明する理論結果です。実際の市場で同じ成長が得られるかは、価格過程の条件、組み替えの頻度、取引費用や税などに左右されます。日本の金融商品での成立や実現成績は、この研究だけから判断できません。
- 対象市場
- その他
- 標本期間
- 未確認(理論研究であり実証標本はなく、一次抄録に標本期間の記載がないため)
- 対象銘柄群
- 理論研究であり実証標本は無い。価格過程と固定比率戦略の成長を一般的なモデルで分析する。
- 観測頻度
- 連続時間の価格過程
- 再現性
- 未評価理論結果の独立した追試や別の市場標本への再検証は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価一般的な価格過程の理論であり、日本市場のデータや制度を用いた検証は本レコードでは評価していない。
観測結果
価格変動と成長
通常は金融成長の妨げとみなされる価格過程の変動性が、成長を加速する内生的な要因になり得ることを示す。
効果量未掲載(not_reported)
一次抄録は結果の方向を示すが、単一の効果量や数値は記載していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1080/14697680601103268
- マンチェスター大学公開版(抄録)https://hummedia.manchester.ac.uk/schools/soss/economics/discussionpapers/EDP-0626.pdf
- SSRN抄録ページhttps://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=992848