企業情報が不確かなほど決算後の株価調整は遅れるか
Information Uncertainty and Post-Earnings-Announcement-Drift
Jennifer Francis、Ryan LaFond、Per Olsson、Katherine Schipper(2007)『Journal of Business Finance & Accounting』
ひとことで言うと
同じ大きさの利益サプライズでも、企業情報が曖昧な会社ほど発表時の反応が弱く、その後の価格調整が長く残るかを検証した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
企業情報が不確かなほど決算後の株価調整は遅れるか
情報が不確かな企業
初期反応が弱く、その後の価格調整が大きい
利益サプライズが同程度の企業を情報の明瞭さで分類
情報が明瞭な企業
利益情報が比較的早く価格へ反映
情報が不確かなほど決算後の調整が長く残る
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
同じ大きさの利益サプライズでも、企業情報が曖昧な会社ほど発表時の反応が弱く、その後の価格調整が長く残るかを検証します。過小反応説と、単なるリスク差を区別するのが焦点です。
どうやって調べたのか
1983~2001年の米国企業を対象に、利益発表と株価を四半期単位で結びます。企業年齢、規模、アナリスト予想の散らばりなどから情報不確実性を捉え、発表時と発表後の異常リターンを不確実性別に比較します。
何が分かったのか
情報不確実性の高い企業では利益サプライズへの初期反応が弱く、その後の異常リターンが大きいと報告します。決算後ドリフトが、利益ニュースの符号だけでなく情報環境の明瞭さに応じて変わる結果です。
この結果をどう読めばよいか
ドリフトの大きさは「不確かな企業なら買えばよい」という意味ではありません。不確実性尺度は複数の企業特性を含み、追加リスクや取引費用も伴います。観測期間外や日本の開示制度で同じ反応になるかは別途検証が必要です。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1983
〜2001 - 対象銘柄群
- 米国企業の利益発表と株価データ
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
情報不確実性が高い利益サプライズほど初期反応が弱く、その後の異常リターンが大きいと報告した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1111/j.1468-5957.2007.02030.x