投資家の含み損益はニュースへの反応を遅らせるか
The Disposition Effect and Underreaction to News
Andrea Frazzini(2006)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
保有者が利益株を売り急ぎ損失株を手放しにくい行動が、企業ニュースを価格へ織り込む速度を遅らせるかを調べますを検証した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
投資家の含み損益はニュースへの反応を遅らせるか
出来事の前
保有者が利益株を売り急ぎ損失株を手放しにくい行動が、企業ニュースを価格へ織り込む速度を遅らせるかを調べます。
投資家の含み損益はニュースへの反応を遅らせるか。
出来事の後
保有者の損益状態とニュースの符号が売却をためらわせる組み合わせで、発表後の価格継続が強まりました。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
保有者が利益株を売り急ぎ損失株を手放しにくい行動が、企業ニュースを価格へ織り込む速度を遅らせるかを調べます。ニュースの方向と保有者の取得価格を組み合わせる点が特徴です。
どうやって調べたのか
1980~2002年の米国株について、投資信託の四半期保有情報から投資家の含み益・含み損を推定します。利益ニュースの符号と保有者の損益状態で銘柄を分け、発表後の価格ドリフトを比較します。
何が分かったのか
保有者の損益状態とニュースの符号が売却をためらわせる組み合わせで、発表後の価格継続が強まりました。処分効果が保有者の売り供給を通じて、ニュースへの過小反応と結び付く証拠を示します。
この結果をどう読めばよいか
投資信託の保有変化から推定した仕組みであり、全投資家の後悔を直接測った結果ではありません。含み損益以外の売買理由も残るため、因果経路を心理だけに限定したり、ニュース後の機械的売買へ使ったりできません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1980
〜2002 - 対象銘柄群
- 米国株と投資信託保有データ
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
保有者の含み損益とニュースの符号が同じとき発表後ドリフトが強く、処分効果が過小反応につながる証拠を示した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1111/j.1540-6261.2006.00896.x