指数への採用・除外で、関係のない株価まで一緒に動くのか
Trading Patterns and Excess Comovement of Stock Returns
Robin M. Greenwood、Nathan Sosner(2007)『Financial Analysts Journal』
ひとことで言うと
日経225の大規模な銘柄入れ替えを自然実験として、指数に連動する売買そのものが株価を余計に同方向へ動かすことを示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
指数への採用・除外で、関係のない株価まで一緒に動くのか
出来事の前
同じ指数に入った企業の株価は、業績や景気への反応が似ているから一緒に動くのでしょうか。
指数への採用・除外で、関係のない株価まで一緒に動くのか。
出来事の後
追加銘柄は残留銘柄との売買高・リターンの連動が強まり、除外銘柄では弱まりました。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
一部のみ
日本市場の標本ですが、期間や制度が限定されます。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
同じ指数に入った企業の株価は、業績や景気への反応が似ているから一緒に動くのでしょうか。それとも、指数連動ファンドなどが構成銘柄をまとめて売買するため、本来の企業価値とは別に値動きが似てしまうのでしょうか。
どうやって調べたのか
2000年4月の日経225再定義で追加された30銘柄と除外された30銘柄を、指数に残った銘柄と比較しました。入れ替え前後の売買高の連動、指数リターンへの感応度、値動きの説明力などを、日次から月次まで複数の期間で調べています。
何が分かったのか
追加銘柄は残留銘柄との売買高・リターンの連動が強まり、除外銘柄では弱まりました。全文で確認できる日次の指数感応度は、追加銘柄で平均0.45上昇し、除外銘柄で平均0.63低下しました。短期ほど効果が強く、指数取引が過剰な共動を生むという説明と整合します。
この結果をどう読めばよいか
指数採用後に株価の連動が強まっても、企業同士の実力が急に似たとは限りません。需給要因を考える手掛かりになりますが、根拠は2000年4月の日本の一度の大規模再定義であり、あらゆる指数・時期に同じ大きさで当てはまるとは言えません。
- 対象市場
- 日本
- 標本期間
- 2000-04
〜2000-04 - 対象銘柄群
- 2000年4月の日経225再定義で追加された30銘柄、除外された30銘柄、および残留銘柄
- 観測頻度
- daily
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接標本として検証した研究である。ただし対象期間・制度・銘柄群に依存するため、日本市場全般への一般化は別途評価が必要。
観測結果
指数取引と過剰共動
指数取引と過剰共動。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.2469/faj.v63.n5.4841
- 著者公開全文(PDF)https://www.hbs.edu/ris/Publication%20Files/Trading%20Patterns%20and%20Excess%20Comovement%20of%20Stock%20Returns_ca282b88-6ef0-419b-92c1-89a0f4a0ffe8.pdf