世界の株式市場で、上がった株を買う戦略は景気リスクの報酬なのか
Momentum Investing and Business Cycle Risk: Evidence from Pole to Pole
John M. Griffin、Xiuqing Ji、J. Spencer Martin(2003)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
最近上がった株を買い、下がった株を売るモメンタムの利益は、景気悪化時の損失を負う見返りだけでは説明しにくいと国際比較で示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
世界の株式市場で、上がった株を買う戦略は景気リスクの報酬なのか
過去の勝者群
景気の良否をまたいで相対的に高いリターン
景気局面とマクロ経済リスクを考慮した国際モメンタム
過去の敗者群
勝者群より低く、長期には反転傾向
群間差はマクロ経済リスクだけでは説明できない
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
モメンタム戦略の利益は市場の非効率ではなく、景気に左右される危険を引き受けた正当な報酬なのでしょうか。もしそうなら、マクロ経済要因や景気の良し悪しを考慮すれば利益は説明できるはずです。
どうやって調べたのか
各国市場のモメンタム収益に対し、広い経済状況を表すマクロ要因を使う無条件モデルと、過去の情報で期待収益を変化させる条件付きモデルを検証しました。さらに、景気が良い局面と悪い局面に分け、利益がどちらでも残るかを比べています。
何が分かったのか
抄録で確認できる範囲では、無条件・条件付きのどちらのモデルでも、マクロ経済リスクはモメンタム利益を説明できませんでした。利益は景気の良い時にも悪い時にも経済的に大きく統計的に安定しており、その後1〜5年では反転する傾向も報告されています。
この結果をどう読めばよいか
『不況時の危険を負ったから高収益だった』という単純な説明には反証になります。ただし、これだけで投資家心理が原因だと確定したわけではなく、別のリスク要因も否定していません。国別の細かな差や売買費用は、抄録だけでは判断できません。
- 対象市場
- グローバル
- 標本期間
- 1975
〜2000 - 対象銘柄群
- 40か国の株式市場。期間は概略
- 観測頻度
- 論文ごとの分析頻度(書誌・抄録では詳細未確認)
- 再現性
- 未評価独立した追試研究との対応は未評価。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
世界各国のモメンタムと景気循環リスクの関係を検討し、単純なマクロリスク説明の限界を示す。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表・定義まで検収していないため未収録。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1046/j.1540-6261.2003.00614.x
- 出版社の抄録ページhttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1540-6261.2003.00614.x