好調な投資因子を選ぶ戦略は、予想変動率で調整すると改善するか
Factor Momentum, Option-Implied Volatility Scaling, and Investor Sentiment
Klaus Grobys、James W. Kolari、Jere Rutanen(2022)『Journal of Asset Management』
ひとことで言うと
個別株ではなく投資因子の好不調を追う戦略を、オプション市場の予想変動率で調整すると、成績が改善するかを調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
好調な投資因子を選ぶ戦略は、予想変動率で調整すると改善するか
好調だった因子
その後も相対的に好調な方向
投資因子の過去成績と予想変動率による調整
不調だった因子
その後も相対的に不調な方向
予想変動率で調整すると因子間の差が改善
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
割安株や小型株など複数の投資因子にも、好調なものがしばらく好調を続ける傾向はあるのでしょうか。また、相場が荒れそうな時に持ち高を減らすことで、利益を保ちながら急落を避けられるのでしょうか。
どうやって調べたのか
1963年7月から2019年12月までの11因子を使い、因子同士の過去成績を比べる方法と、各因子自身の過去成績を見る方法を検証しました。さらにオプション価格が示す予想変動率で持ち高を調整し、通常のリスク要因、急落への弱さ、投資家心理との関係を比較しています。
何が分かったのか
抄録では両方の因子モメンタムが強い利益を示し、因子同士を比べる戦略は月約1%と報告されています。予想変動率による調整で利益の大きさと統計的な確かさが増しました。個別株モメンタムと同じ急落特性は見られず、楽観的な投資家心理の時ほど割高・割安のずれが大きい傾向も示されました。
この結果をどう読めばよいか
因子モメンタムと個別株モメンタムを同じものとして扱うべきではない、という示唆があります。ただし11因子と特定期間の過去検証であり、心理指標との連動は原因を証明しません。予想変動率で調整すれば将来も必ず急落を避けられる、という保証でもありません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1963-07
〜2019-12 - 対象銘柄群
- 11種類の米国株式因子
- 観測頻度
- 論文ごとの分析頻度(書誌・抄録では詳細未確認)
- 再現性
- 未評価独立した追試研究との対応は未評価。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
因子モメンタムにオプション市場の予想変動率によるスケーリングを組み合わせ、投資家センチメントとの関係を検討する。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表・定義まで検収していないため未収録。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1057/s41260-021-00229-x
- 出版社の抄録ページhttps://link.springer.com/article/10.1057/s41260-021-00229-x