機械学習は株の期待収益を従来手法より正確に予測できるか
Empirical Asset Pricing via Machine Learning
Shihao Gu、Bryan Kelly、Dacheng Xiu(2020)『Review of Financial Studies』
ひとことで言うと
多数の企業情報から株の将来収益を予測するとき、機械学習、とくに決定木系とニューラルネットが従来モデルを上回るかを比較した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
機械学習は株の期待収益を従来手法より正確に予測できるか
- 研究の問い株の期待収益は、少数の指標を足し合わせる単純な式で十分に捉えられるのでしょうか。
- 確かめ方一般化線形モデル、次元削減、ブースティング木、ランダムフォレスト、ニューラルネットなどを同じ枠組みで比較しました。
- 分かったこと機械学習は期待収益の標本外予測を改善し、投資成績にも大きな改善をもたらしました。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
株の期待収益は、少数の指標を足し合わせる単純な式で十分に捉えられるのでしょうか。それとも、企業特性同士の複雑な組み合わせを扱える機械学習を使えば、未知の期間でも予測を改善できるのでしょうか。
どうやって調べたのか
一般化線形モデル、次元削減、ブースティング木、ランダムフォレスト、ニューラルネットなどを同じ枠組みで比較しました。モデル作成に使っていない期間で株式収益を予測する標本外評価を行い、その予測で組んだポートフォリオの経済的な成績も調べています。
何が分かったのか
機械学習は期待収益の標本外予測を改善し、投資成績にも大きな改善をもたらしました。なかでも決定木系とニューラルネットの成績が上位でした。優位性は、指標を単純に足すだけでは捉えにくい非線形な関係や指標同士の相互作用を学べる点にあり、主要な信号にはモメンタム、流動性、変動率が繰り返し現れました。
この結果をどう読めばよいか
『複雑なモデルなら何でも勝てる』という結果ではなく、未使用期間で比較し、どの種類の情報が効いたかを示した点が重要です。ただし過去データ上の予測性能であり、信号が収益を生む原因を証明したわけでも、将来や日本株で同じ成績になることを保証したわけでもありません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1957
〜2016 - 対象銘柄群
- 米国株と企業特性
- 観測頻度
- monthly
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。
観測結果
機械学習による期待リターン推定
機械学習による期待リターン推定。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1093/rfs/hhaa009
- 出版社の全文ページhttps://academic.oup.com/rfs/article/33/5/2223/5758276