日銀ETF買い入れは対象企業の利益や投資を変えたか
The Effect of the Bank of Japan's Exchange-Traded Fund Purchases on Firm Performance
Hiroshi Gunji、Kazuki Miura、Yuan Yuan(2023)『Asian Economic Journal』
ひとことで言うと
ETF買い入れ政策はROAをTOPIX企業で0.2~1.5%、日経225企業で0.8~1.8%低下させたと報告しますを報告した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
日銀ETF買い入れは対象企業の利益や投資を変えたか
- 研究の問い日銀が日経225・TOPIX連動ETFを買うことで、組入れ企業の利益、研究開発などの投資、企業統治に変化が生じたかを調べます。
- 確かめ方2010~2020年の構成企業パネルで、買い入れの影響を強く受ける企業と比較企業の政策前後の変化を差の差法で比べます。
- 分かったことETF買い入れ政策はROAをTOPIX企業で0.2~1.5%、日経225企業で0.8~1.8%低下させたと報告します。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
一部のみ
日本市場の標本ですが、期間や制度が限定されます。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
日銀が日経225・TOPIX連動ETFを買うことで、組入れ企業の利益、研究開発などの投資、企業統治に変化が生じたかを調べます。株価への短期効果ではなく企業活動が対象です。
どうやって調べたのか
2010~2020年の構成企業パネルで、買い入れの影響を強く受ける企業と比較企業の政策前後の変化を差の差法で比べます。無作為割当ができない弱点に対し、傾向スコアによる比較も行います。
何が分かったのか
ETF買い入れ政策はROAをTOPIX企業で0.2~1.5%、日経225企業で0.8~1.8%低下させたと報告します。利益以外の投資・統治も検討し、傾向スコアでも主要結果を確認しています。
この結果をどう読めばよいか
政策対象は無作為に決まらず、指数構成企業と比較企業には元から違いがあり得ます。差の差と傾向スコアで差を抑えても因果推定には注意が必要で、日銀買い入れが全企業の収益性を必ず下げるとはいえません。
- 対象市場
- 日本
- 標本期間
- 2010
〜2020 - 対象銘柄群
- TOPIX・日経225構成企業
- 観測頻度
- annual
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接標本として検証した研究である。ただし対象期間・制度・銘柄群に依存するため、日本市場全般への一般化は別途評価が必要。
観測結果
ETF買入れと企業業績
ETF買入れと企業業績。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/asej.12308