リスク下の選択を利得と損失の見え方から説明する
Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk
Daniel Kahneman、Amos Tversky(1979)『Econometrica』
ひとことで言うと
人は最終的な資産額だけでなく、参照点から見た利得と損失を異なる形で評価すると説明した意思決定理論です。
図で読む:この研究は何を比べたか
結果は参照点からの利得と損失として評価される
- 選択肢を編集結果を参照点からの利得と損失として整理する。
- 価値を評価利得側と損失側で異なる形の価値を置く。
- 確率を重み付け客観確率を決定上の重みへ変換して選ぶ。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
選択問題で期待効用理論と異なる方向を観測した。
- 取引費用
-
未確認
取引費用は対象外。
- 再現性
-
未確認
後続追試は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は対象外。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
確率が分かっている選択で、人々が期待効用理論の公理から系統的に外れるのはなぜか。確実な結果の扱い、利得と損失での選好の反転、低確率の見え方を、参照点からの変化として一貫して記述できるかを問います。
どうやって調べたのか
複数の仮想的な選択問題への回答を比較し、確実な結果を特に重く見る傾向や、利得と損失で選好が反転するパターンを整理します。期待効用理論では説明できない共通点を抽出したうえで、選択肢を単純化する編集段階と、価値と確率の重みを組み合わせる評価段階からなる記述理論を提示します。
何が分かったのか
選択は最終的な富の水準だけでは説明できず、参照点からの変化として利得と損失を捉える必要があるとされました。損失側をより強く評価し、確率をそのままではなく決定上の重みへ変換する価値関数と重み付け関数の枠組みが提示されました。
この結果をどう読めばよいか
仮想的な選択問題と記述理論から、損失への敏感さという構成要素は説明できます。しかし、市場に居続けること、売買回数を減らすこと、費用控除後収益を比べた研究ではなく、追加の投資プレミアムを直接裏づけるものではありません。
- 対象市場
- その他
- 標本期間
- 未確認(確認した一次資料の書誌ページに選択問題の実施期間が記載されていないため未確認)
- 対象銘柄群
- リスクを伴う仮想的な選択問題への回答者
- 観測頻度
- experimental
- 再現性
- 未評価個別現象の追試や後続理論は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場の取引成果を用いた研究ではない。
観測結果
主要な観測結果
期待効用理論の公理と整合しない選択パターンを示し、参照点からの利得と損失および確率の重み付けで記述する理論を提案した。
効果量未掲載(not_reported)
原文の複数の選択問題を単一の効果量へ統合せず、理論の方向だけを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- JSTOR原文ページhttps://www.jstor.org/stable/1914185