日経225への採用・除外で動いた株価は、その後元に戻るのか
The Price Response to Nikkei 225 Stocks Index Adjustments
Chia-Jung Tu(2012)『The International Journal of Business and Finance Research』
ひとことで言うと
日経225への採用銘柄は発表日に上がり、除外銘柄は下がるものの、その後に反転するため、一時的な需給圧力が重要だと示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
指数入れ替えで動いた株価は、その後反転したか
入れ替え発表日
追加は上昇・除外は下落
指数入れ替えの需給
発表後
反対方向へ反転
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
発表と反転を観測.
- 取引費用
-
未確認
費用後に利用できるかは未確認.
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価.
- 日本市場
-
一部のみ
日経225だが過去期間に限定.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
指数の構成変更が発表されたときの値動きは、企業の将来性に関する新情報を反映した恒久的な変化でしょうか。それとも指数連動ファンドの売買を予想した一時的な価格圧力で、後から元へ戻るのでしょうか。企業規模や業績予想も関係するかを調べます。
どうやって調べたのか
1991年から2008年までに日経225へ追加・除外された銘柄を対象に、発表日とその後の異常収益を比較しました。さらに企業規模で銘柄を分け、利益予想が上方修正された追加銘柄とそうでない銘柄で、発表後の反応が異なるかを分析しています。
何が分かったのか
追加銘柄は発表日に上昇し、除外銘柄は下落しましたが、発表後には反対方向へ動きました。小型株は大型株より反応が大きく、利益予想が上方修正された追加銘柄は発表後の異常収益も高いと報告されています。発表日の動きとその後の反転は、一時的な価格圧力と整合します。
この結果をどう読めばよいか
指数入れ替えの値動きを、需給だけか企業情報だけかの二択に単純化できない点が重要です。全体には反転が見られる一方、利益予想の修正も関係しています。抄録確認のため推定の細部は未確認で、現在の入れ替えでも同じ反転幅になるとは言えません。
- 対象市場
- 日本
- 標本期間
- 1991
〜2008 - 対象銘柄群
- 日経225追加・除外銘柄
- 観測頻度
- daily
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接標本として検証した研究である。ただし対象期間・制度・銘柄群に依存するため、日本市場全般への一般化は別途評価が必要。
観測結果
指数入替えの価格反応
指数入替えの価格反応。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://ideas.repec.org/a/ibf/ijbfre/v6y2012i4p59-71.html
- SSRN抄録ページhttps://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2149132