なぜ人は値上がりした資産を早く売り、値下がりした資産を持ち続けるのか
The disposition effect in securities trading: an experimental analysis
Martin Weber、Colin F. Camerer(1998)『Journal of Economic Behavior & Organization』
ひとことで言うと
人は含み益のある資産を早く売り、含み損のある資産を手元に残しやすいことを、価格変動を制御した実験で確かめた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
自動で売却すると、損失株を抱える偏りは弱まるか
自分で売却を決断
利益を売り損失を残しやすい
実験の売却方法
期末に自動売却
偏りが大幅に弱い
能動的決断で差
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
統制実験で行動差を確認.
- 取引費用
-
対象外
市場での収益戦略を検証していない.
- 再現性
-
未確認
独立した実験再現は台帳で未評価.
- 日本市場
-
未確認
日本の実市場は未検証.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
投資家が利益の出た資産を先に売り、損失の出た資産を持ち続けるのは、実際の市場ニュースや銘柄差が原因でしょうか。それとも買値を基準に利益と損失を別々に感じる、人の意思決定そのものから生じるのでしょうか。
どうやって調べたのか
実験参加者に、毎期価格が変動する六つの架空の危険資産を売買してもらいました。通常どおり保有を続けられる条件に加え、各期末に全資産が自動的に売却され、次期に持つには改めて買う条件を設け、保有継続という初期設定の影響を比較しています。
何が分かったのか
参加者は、買値より上がった資産を売り、下がった資産を保有し続ける傾向を示しました。一方、各期末に自動売却する条件では、この偏りが大幅に弱まりました。損失資産を「売る」という能動的な決断を避けることが、行動の一部を支えていると考えられます。
この結果をどう読めばよいか
初心者が陥りやすい行動を明快に示しますが、損失株を常に売ることを勧める結果ではありません。統制された架空資産の実験なので、税金、手数料、企業情報がある現実市場とは異なります。自動売却で弱まったことは因果的な手掛かりですが、偏りの全原因を説明するものではありません。
- 対象市場
- その他
- 標本期間
- 1998
〜1998 - 対象銘柄群
- 価格系列を使う実験参加者
- 観測頻度
- experimental
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
参加者は値下がり資産を保有し値上がり資産を売る傾向を示し、取得価格を自動表示しない条件で処分効果が弱まった。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。