割安株と人気株では、決算発表後の値動きがどう違うのか
When Two Anomalies Meet: The Post–Earnings Announcement Drift and the Value–Glamour Anomaly
Zhipeng Yan、Yan Zhao(2011)『Financial Analysts Journal』
ひとことで言うと
同じ決算の上振れ・下振れでも、割安株と期待の高い人気株では発表直後の反応とその後の値動きが異なることを示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
同じ決算でも、割安株と人気株ではその後が違う
割安株
初期反応が弱く後続変動が大きい
企業タイプと決算内容
人気株
悪決算後の下落継続が大きい傾向
反応が非対称
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
企業タイプ別の差を観測.
- 取引費用
-
一部のみ
報告収益は費用控除前.
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価.
- 日本市場
-
未確認
米国標本で日本は未検証.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
決算情報が出た後も株価が同じ方向へ動き続ける現象と、割安株が人気株を上回る現象は別々なのでしょうか。市場の期待が低い割安株と高い人気株では、好決算・悪決算を受け止める速さや、その後の修正幅が違うのかを調べます。
どうやって調べたのか
1984年から2008年の米国企業を割安度で五群に分け、四半期ごとに実績利益と市場予想の差、決算日前後3日間の異常収益の正負で分類しました。その後の異常収益を追い、割安株と人気株で決算直後の反応と遅れて続く値動きを比較しています。
何が分かったのか
割安株は情報の不確実性が高く、決算の上振れ・下振れに対する初期反応が弱い一方、その後の値動きは概して人気株より大きくなりました。好決算かつ発表時上昇なら割安株の上昇継続が大きく、悪決算かつ発表時下落なら人気株の下落継続が大きい傾向でした。
この結果をどう読めばよいか
市場が単純に決算を一律に過小反応するのではなく、事前期待と企業タイプで反応が非対称になるという示唆です。組合せ戦略の年率異常収益16.6〜18.8%は取引費用控除前で、1984〜2008年の標本内結果です。現在や日本で同じ利益を保証しません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1984
〜2008 - 対象銘柄群
- 米国上場株
- 観測頻度
- monthly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
PEADとバリュー指標を組み合わせたときのリターン差を分析し、情報不確実性が両者の交差に関係することを示した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.2469/faj.v67.n6.3
- 著者公開全文(PDF)https://www.ivey.uwo.ca/media/3775558/when_two_anomalies_meet.pdf