積立投資を行うと、投資期間中に損失を経験する確率はどの程度減ると報告されていますか
結論
Trainorの5年想定の理論計算では、投資期間中に一度でも損失状態を経験する確率は、一括投資の 90%超に対してDCAは50%未満でした。これは実市場の観測結果ではなく、理論モデルによる計算です。
Trainor(2005)は、first-passage time probabilityに基づく5年間の理論モデルを用いて、一括投資とドルコスト平均法を比較しました。その計算では、5年間に一度でも損失状態を経験する確率は、一括投資で90%超、DCAで50%未満と報告されています。
同じ研究では、損失状態にある場合の条件付き期待ショートフォールがDCAでは一括投資比で 65%縮小し、損失状態が続く期待期間も一括投資の1.5年からDCAの4カ月になったと報告されています。
これらは、最終時点のリターンだけでなく、投資期間の途中でどの程度損失状態に晒されるかを比較した結果です。
参照した研究
- 5年想定の理論計算で損失状態の経験確率を一括投資90%超からDCA50%未満へ低下と報告 台帳のレコードを見る
- 毎回定額投資は期待効用最大化の最適な動的戦略にならないという別基準の結論を報告 台帳のレコードを見る
限界
この結果は実際の市場データを使った実証ではなく、5年間を想定した理論モデルの計算です。取引費用は考慮されておらず、日本市場への適用可能性も未評価です。