リバランスの利得は期待リターンを高めるものではない、という反論は研究で報告されていますか
結論
はい。分散投資や分散リターン自体は期待値を増やさず、リバランス(再均衡)で期待値が高まるなら源泉は平均回帰だとする研究があります。一方、分散リターンの源泉をリバランスによる売買に求める研究もあり、利得の定義と源泉の説明は割れています。
Willenbrock(2011)は、リバランス、買い持ち、コモディティ先物指数を扱う理論分析で、分散リターンの源泉は値動きのばらつき(分散)の低下ではなく、相対的に値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買い直す売買にあると論じました。原典の要旨には具体的な市場や標本期間の記載がありません。
ChambersとZdanowicz(2014)は、理論分析で、分散リターンを幾何平均リターンの差と定義しました。分散投資やこの差自体は期待値を増やす源泉ではなく、リバランスで期待値が高まるなら源泉は平均回帰だと主張しています。実証的な効果量は示されていません。
Cuthbertsonほか(2016)は、理論とシミュレーションから、リバランスに固有の収益と、リバランスなしでも得られる分散リターンの混同を指摘しました。また、無限期間で見える優位は、有限の保有期間の成績を正確に表さないと報告しています。
売買を源泉とする説明を、そのまま算術平均の期待リターンへの上乗せと読むことはできません。何を利得と呼び、何と比較するかが争点です。
参照した研究
- 分散リターンの源泉を、値動きのばらつき(分散)の低下ではなくリバランスによる売買に求める 台帳のレコードを見る
- 分散投資や分散リターンは期待値の源泉ではなく、期待値の向上には平均回帰が関わると論じる 台帳のレコードを見る
- 収益概念の混同と、無限期間の優位を有限期間へ広げる問題を指摘 台帳のレコードを見る
限界
これらは日本の商品で両説の収益差を実測した比較ではありません。具体的な市場・標本期間や効果量は確認できず、売買費用と日本の実現益課税を差し引いた比較も示されていません。