売買しにくい株ほど、投資家が求める将来リターンは高いか

Illiquidity and Stock Returns: Cross-Section and Time-Series Effects

Yakov Amihud(2002)『Journal of Financial Markets』

ひとことで言うと

売買しにくい銘柄ほど期待リターンが高い一方、市場全体の流動性が予想外に悪化した時点では株価が下がるという、二つの関係を示しました。

図で読む:この研究は何を比べたか

群の比較 方向のみ・数値なし

売買しやすい株と、売買しにくい株の将来リターンを比べる

売買しやすい株

期待リターンは相対的に低い

売買代金に対する値動き

売買しにくい株

期待リターンは相対的に高い

流動性リスクへの見返りと整合

米国株では、売買しにくい銘柄ほど平均的な期待リターンが高い関係が示されました。必ず上がるという意味ではありません。

利益への距離

観測された差

確認された

米国株の銘柄間で関係を確認。

取引費用

未確認

実際の売買費用控除後は未評価。

再現性

未確認

独立再現は未評価。

日本市場

未確認

日本株は未検証。

研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。

この研究を読み解く

何を知りたかったのか

売りたい時に価格を大きく下げないと売れない株は、保有者に追加の負担を与えます。その負担への見返りが将来リターンに含まれるのか、また市場全体が急に売買しにくくなった時に株価がどう反応するのかを分けて調べます。

どうやって調べたのか

1964〜1997年のNYSE株について、日々の絶対リターンを売買代金で割ったILLIQを作ります。銘柄間ではILLIQと将来リターンを比較し、市場全体では過去値から予想した非流動性と予想外の変化を分け、それぞれが超過リターンとどう結び付くかを回帰分析します。

何が分かったのか

売買しにくい銘柄ほど期待リターンが高く、市場全体でも予想される非流動性が高い時ほど将来の超過リターンが高い関係が示されました。一方、非流動性が予想外に悪化した同時点では株価が下がり、これらの関係は小型株でより強く表れました。

この結果をどう読めばよいか

ILLIQは値幅と売買代金だけで作る粗い価格影響の代理指標で、売買気配差や個々の注文を直接測ったものではありません。また、売買しにくい株なら必ず高収益になるという意味ではなく、流動性リスクを負う見返りとして平均的な期待収益が高いという解釈です。

対象市場
米国
標本期間
19641997
対象銘柄群
NYSE上場株
観測頻度
daily
再現性
未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
日本市場での有効性
未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。

観測結果

非流動性と期待リターン

非流動性と期待リターン。

効果量未掲載(not_reported)

一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。

効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。

限界

原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。

  • 単一市場
  • 日本市場未検証
  • 取引コスト控除前

原典と利用条件

提供元
publisher
メタデータライセンス
other
本文再利用
none
原典確認日
2026-08-11
解説の確認範囲
本文まで確認
解説確認日
2026-08-11
レコード更新日
2026-08-11
機械可読レコード
amihud-2002-illiquidity-returns.json