指数オプションに埋め込まれたリスクプレミアム
The Risk Premia Embedded in Index Options
Torben G. Andersen、Nicola Fusari、Viktor Todorov(2015)『Journal of Financial Economics』
ひとことで言うと
指数オプションの価格に含まれる左裾リスクの補償が、通常の市場ボラティリティとは別に動くかを調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
市場の変動と、急落リスクの補償は同じ動きではない
- 価格曲面を観測権利行使価格と満期が異なる指数オプションを集約
- 市場変動を分解連続変動とジャンプを含むモデルを推定
- 左裾因子を分離通常のボラティリティでは張れない価格成分
- 補償を予測株式と分散のリスクプレミアムに情報を持つ
利益への距離
- 観測された差
-
一部のみ
リスクプレミアムの予測関係を観測したが、売却戦略の収益ではない。
- 取引費用
-
未確認
売買費用、証拠金、追証、強制決済は評価していない。
- 再現性
-
未確認
異なる市場での独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日経225オプションは標本に含まれない。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
オプション価格へ含まれる急落への備えは、現在の市場ボラティリティだけで説明できるのでしょうか。リスクが実際に高まる動きと、そのリスクを引き受けるための補償が同じ因子で動くのかを問います。
どうやって調べたのか
1996年1月1日から2013年4月23日までのS&P 500指数オプションを水曜日ごとに標本化し、価格曲面へジャンプと確率的ボラティリティを含むモデルを推定します。2010年7月21日までを標本内、その翌日以降を標本外として評価し、S&P 500先物の1分データとSPYリターンを予測回帰に用います。
何が分かったのか
価格付けされた左裾リスクは、市場ボラティリティとその構成要素だけでは捉えられず、別の裾リスク因子が必要でした。この因子は将来のボラティリティやジャンプへの追加予測力を示さない一方、将来の株式および分散リスクプレミアムの予測に重要でした。危機後にはリスク補償の反応がリスク自体より長く続く傾向も報告されました。
この結果をどう読めばよいか
オプション売りの収益は単なる時間経過の効果ではなく、左裾リスクを負担する補償と結びつく可能性を示します。ただし、特定の売却戦略の損益を測った研究ではありません。SQ前日の売却、証拠金、追証、強制決済、日経225オプションは検証しておらず、結果はモデル推定にも依存します。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1996-01-01〜2013-04-23
- 対象銘柄群
- S&P 500指数オプションの価格曲面と、S&P 500先物の高頻度データおよびSPYリターン
- 観測頻度
- weekly
- 再現性
- 未評価異なる市場による同一モデルの独立追試は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価S&P 500指数オプションを対象とし、日経225オプションでの成立は評価していない。
観測結果
左裾リスク因子
価格付けされた左裾リスクは市場ボラティリティとその構成要素だけでは張ることができず、別の裾リスク因子が必要だった。。
効果量未掲載(risk_adjusted)
原典のモデル推定から得た方向を収録し、単一の代表効果量は設定しない。
リスクプレミアムの予測関係
裾リスク因子は現在と過去のボラティリティを超えて将来のボラティリティやジャンプを予測しなかった一方、将来の株式および分散リスクプレミアムの予測に重要だった。。
効果量未掲載(risk_adjusted)
予測方向と役割を収録し、予測回帰の数値は本レコードへ転記していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1016/j.jfineco.2015.06.005
- オーフス大学機関リポジトリ版https://pure.au.dk/ws/files/120488312/rp18_07.pdf