日中と夜間を分けると株の流動性測定は改善するか
The Night and Day of Amihud’s (2002) Liquidity Measure
Yashar H. Barardehi、Dan Bernhardt、Thomas G. Ruchti、Marc Weidenmier(2021)『The Review of Asset Pricing Studies』
ひとことで言うと
夜間リターンと日中出来高の時間帯のずれを直すと、Amihud流動性指標の測定力が高まることを示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
夜間の値動きを分ける前と後で、流動性測定を比べる
通常の指標
夜間リターンと日中出来高が混在
日中リターンへ置換
時間帯を整合
取引コストとの関係が強まる
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国標本で測定改善を確認。
- 取引費用
-
支持されない
指標改善であり費用後利益の検証ではない。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
広く使われるAmihud指標は、終値から翌終値までのリターンを日中の売買代金で割るため、売買がない夜間の価格変化を混ぜています。この時間帯のずれが流動性プレミアムを過小評価するかを問います。
どうやって調べたのか
1993~2016年の米国株で、通常の終値間リターンを使う指標と、寄付きから終値までの日中リターンへ置き換えた指標を比較します。既存の取引コスト尺度との相関、銘柄間リターンの説明力に加え、引け付近の非同期取引を操作変数に用います。
何が分かったのか
日中版は取引コスト尺度との相関が通常版より8~37%強く、推定される流動性プレミアムは約2倍になりました。夜間リターンは主に情報を反映するため、日中出来高と組み合わせると測定誤差が増えると報告します。
この結果をどう読めばよいか
改善はAmihud指標の時間帯を整合させた場合の結果で、流動性のあらゆる側面を一つの尺度で測れることを意味しません。プレミアムの差を取引戦略の利益と読むこともできず、米国の取引時間や市場制度と異なる日本では再検証が必要です。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1993
〜2016 - 対象銘柄群
- 米国上場株
- 観測頻度
- intraday
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。
観測結果
Amihud非流動性指標の分解
Amihud非流動性指標の分解。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1093/rapstu/raaa022