小口と大口の取引は決算情報へ違う反応をするか
Earnings expectations, investor trade size, and anomalous returns around earnings announcements
Robert H. Battalio、Richard R. Mendenhall(2005)『Journal of Financial Economics』
ひとことで言うと
小口取引と大口取引が異なる利益情報へ反応するかを比べ、決算前後の異常リターンとの関係を調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
小口取引と大口取引は、どの決算情報へ反応するか
小口取引
単純な利益信号へ反応
取引規模
大口取引
アナリスト予想誤差へ反応
収益との関係は一貫しない
利益への距離
- 観測された差
-
一部のみ
反応差はあるが利益予測は混在。
- 取引費用
-
未確認
費用後利益は未評価。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
決算発表後にも株価調整が続く現象について、小口取引を行う投資家と大口取引を行う投資家が別の利益情報を使うことが原因の一部かを調べます。取引規模を投資家層の手掛かりとして使います。
どうやって調べたのか
1984~2001年の米国株で、投資家が始めた取引を規模別に分けます。アナリスト予想と実績の差、過去利益から見た利益変化、発表時・発表後リターンを結び、大口と小口の注文がどちらの信号へ反応するか比較します。
何が分かったのか
大口取引はアナリスト予想誤差へ、小口取引は現在利益が将来水準へ持つ意味を過小評価する単純な信号へ反応しました。アナリスト予想は発表前後のリターン予測を改善しましたが、小口取引比率と予測可能性の関係は混在しました。
この結果をどう読めばよいか
取引サイズは投資家の知識や個人・機関の身元を直接示すものではありません。小口投資家だけが決算後ドリフトを生むという因果結論は支持されず、混在した結果を「大口は常に正しい」と読み替えることもできません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1984
〜2001 - 対象銘柄群
- 米国株の利益発表と取引データ
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
小口取引主体と大口取引主体で利益予想への反応が異なり、発表時と発表後の異常リターンに結び付くと報告した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1016/j.jfineco.2004.08.002