決算後ドリフトの利益は取引コスト後にも残るか
Liquidity and the Post-Earnings-Announcement Drift
Tarun Chordia、Amit Goyal、Gil Sadka、Ronnie Sadka、Lakshmanan Shivakumar(2009)『Financial Analysts Journal』
ひとことで言うと
決算後ドリフトを銘柄の流動性別に比較し、紙上のリターンが実際の売買費用を差し引いても残るか検証した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
決算後ドリフトから売買費用を引くと、利益は残るか
費用控除前
低流動性群ほどドリフトが大きい
推定取引費用を控除
費用控除後
潜在利益の大部分が消える
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国標本で粗収益の差を確認。
- 取引費用
-
支持されない
費用後には利益を生みにくい。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
PEADが低流動性株に集中するなら、情報反映の遅れを示す一方で裁定困難の表れかもしれません。流動性の高い銘柄でも収益差があるか、複数の方法で見積もった取引コストが利益を消すかを問います。
どうやって調べたのか
1972~2005年のNYSE・AMEX・NASDAQ株を、標準化予想外利益とAmihud非流動性指標で二重分類します。利益サプライズ上位を買い下位を売るポートフォリオを作り、複数の取引費用推定で粗収益と実装後を比較します。
何が分かったのか
粗収益は最も流動的な群では小さく、非流動的な群ほど大きいと報告します。しかし推定取引コストは潜在利益の大部分を占め、コスト控除後には戦略が利益を生みにくいという結論です。裁定制約との整合性を示します。
この結果をどう読めばよいか
低流動性群の高い粗収益を、そのまま利用可能な利益と読むのは逆です。売買しにくさがドリフトと費用の双方を大きくします。費用推定は歴史的な米国市場に基づき、現在の執行や日本株での採算を直接示しません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1972
〜2005 - 対象銘柄群
- NYSE・AMEX・NASDAQの利益発表と流動性データ
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
PEADの粗利益は流動性の低い銘柄で大きいが、実装可能性は取引コストと流動性制約に強く左右されると報告した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.2469/faj.v65.n4.3