利益サプライズと会計発生高は別の株価異常か
Earnings-based and accrual-based market anomalies: one effect or two?
Daniel W. Collins、Paul Hribar(2000)『Journal of Accounting and Economics』
ひとことで言うと
四半期利益に基づく決算後ドリフトと、会計発生高の持続性を市場が誤るアクルーアル異常が同じ現象か調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
利益サプライズと会計発生高は、別々の価格偏りか
利益サプライズ
決算後の反応遅れを捉える
使う会計信号
会計発生高
利益の持続性誤認を捉える
組み合わせても増分情報が残る
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国標本で別々の効果を確認。
- 取引費用
-
未確認
費用後利益は未評価。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
市場が利益情報を十分に読めない一つの理由で二つの異常が生じるのでしょうか。それとも、予想外利益への反応遅れと、利益を現金・発生高へ分けたときの持続性誤認は独立しているのでしょうか。
どうやって調べたのか
1988~1997年の米国上場企業の四半期データを使い、予想外利益、アクルーアル、営業キャッシュフローで企業を分類します。それぞれの将来リターンを比較し、二つのシグナルを組み合わせたヘッジポートフォリオも評価します。
何が分かったのか
市場はアクルーアルの持続性を過大評価して過大価格を付け、キャッシュフローを過小評価するように見えると報告します。この誤価格はPEADとは別の効果で、両シグナルを組み合わせたポートフォリオは単独より大きな異常リターンを示しました。
この結果をどう読めばよいか
二つを組み合わせれば将来も高収益になるという保証ではありません。異常リターンは使用した期待収益モデル、会計項目の測定、取引費用に左右されます。「別効果」は統計的な増分情報を指し、心理的原因が二つと証明したわけではありません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1988
〜1997 - 対象銘柄群
- 米国上場企業の会計・株価データ
- 観測頻度
- quarterly
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
利益サプライズとアクルーアルに基づく予測可能性を比較し、両シグナルを組み合わせると個別利用より強いリターン差が生じると報告した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1016/S0165-4101(00)00015-X