過信と自己正当化はモメンタムと反転を生むか
Investor Psychology and Security Market Under- and Overreactions
Kent Daniel、David Hirshleifer、Avanidhar Subrahmanyam(1998)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
私的情報への過信と、成功を自分の能力に帰す偏りから、短期の過小反応と長期の過剰反応を説明する理論モデルです。
図で読む:この研究は何を比べたか
過信が短期の続伸と長期の反転を生む理論経路
- 私的情報を過信自分の信号を重く見る
- 成功で自信を強める反対情報では十分修正しない
- 短期のモメンタム同方向の価格変化が続く
- 長期の反転行き過ぎが修正される
利益への距離
- 観測された差
-
支持されない
市場利益ではなく理論予測。
- 取引費用
-
対象外
取引戦略の費用検証ではない。
- 再現性
-
未確認
独立検証は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
投資家が新情報を合理的に処理するなら、短期モメンタムと長期反転を同時にどう説明するのでしょうか。自分の私的シグナルを過信し、結果に応じて自信を非対称に更新する心理が価格経路を作るかを問います。
どうやって調べたのか
情報を持つ投資家が私的シグナルの精度を実際より高く評価する市場を理論化します。投資結果が自説を支持すると自信を強め、反する公的情報では十分弱めない自己帰属バイアスを加え、価格の自己相関や変動への含意を導きます。
何が分かったのか
過信から長期の負の自己相関、過剰変動、公的イベント後の予測可能性が生じます。偏った自己帰属を加えると、短期の正の自己相関であるモメンタム、短期の利益ドリフト、長期の市場・会計成績と将来リターンの負の関係も導かれます。
この結果をどう読めばよいか
列挙された現象すべてをこの心理だけが実証的に引き起こすと証明した論文ではありません。モデルの予測は代替するリスク理論や制度要因と比較して検証する必要があります。個人の過信度から個別銘柄を予測する道具でもありません。
- 対象市場
- グローバル
- 標本期間
- 1998
〜1998 - 対象銘柄群
- 過信と自己帰属バイアスを組み込んだ理論市場
- 観測頻度
- not_applicable
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
私的情報への過信と偏った自己帰属から、短期モメンタム、長期反転、過剰変動が生じる理論モデルを提示した。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1111/0022-1082.00077