株価の規則的な偏りは企業ニュースの日に強く現れるか
Anomalies and News
Joseph Engelberg、R. David McLean、Jeffrey Pontiff(2018)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
株価の規則的な偏りは企業ニュースの日に強く現れるか。アノマリー・リターンは企業ニュース日に約50%高く、決算発表日には約6倍となり、ニュースで偏った期待が修正される説明と整合的だった。
図で読む:この研究は何を比べたか
企業ニュースがない日と、ある日のアノマリー収益を比べる
通常日
基準となるアノマリー収益
企業ニュースの有無
ニュース日
アノマリー収益が相対的に高い
誤った期待の修正と整合
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国株97アノマリーで集中を確認。
- 取引費用
-
未確認
ニュース取引の費用後利益ではない。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
割安株や小型株などのアノマリー収益が単なるリスクへの報酬なら、企業ニュースの有無で極端には変わらないはずです。反対に、投資家の誤った期待がニュースで修正されるなら、情報公表日に収益が集中します。97種類のアノマリーをまとめて、この二つの説明を比べます。
どうやって調べたのか
1979年から2014年の米国株を使い、97種類のアノマリーごとに高収益側と低収益側の銘柄群を作ります。通常日、企業ニュースが出た日、決算発表日でロング・ショート収益を比較し、市場全体の値動きなどを回帰分析で調整します。個別アノマリーではなく、多数の規則性に共通するニュース日の集中を測る設計です。
何が分かったのか
アノマリー収益は企業ニュースのある日に約50%高く、決算発表日には通常日の約6倍でした。ニュース日の収益は、その後に反転するより持続する傾向も示されました。著者は、誤った期待が新情報で修正される説明と整合的だとしますが、全アノマリーが同じ原因だと証明したわけではありません。
この結果をどう読めばよいか
「ニュースを見て売買すれば収益が6倍になる」という結果ではありません。6倍は97種類の既知アノマリーを事後的に分類したポートフォリオ収益の比較で、ニュースそのものの方向を予測する戦略ではないからです。ニュース日の集中はリスク説への反証材料ですが、行動バイアスだけを唯一の原因と確定もしません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1979
〜2014 - 対象銘柄群
- 米国株の97種類のアノマリー・ポートフォリオ
- 観測頻度
- daily
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
アノマリー・リターンは企業ニュース日に約50%高く、決算発表日には約6倍となり、ニュースで偏った期待が修正される説明と整合的だった。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 一次資料ページhttps://doi.org/10.1111/jofi.12718