S&P 500採用後に株の売買コストは下がるか
The Liquidity Effects Associated with Addition of a Stock to the S&P 500 Index: Evidence from Bid/Ask Spreads
Gayle R. Erwin、James M. Miller(1998)『Financial Review』
ひとことで言うと
S&P 500へ採用された株を、上場オプションがある銘柄とない銘柄に分け、売値と買値の差が縮むかを調べた研究ですを検証した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
S&P 500採用後を、オプション上場の有無で比べる
オプション上場あり
株価上昇は一時的
採用前の上場オプション
オプション上場なし
流動性改善と株価・出来高増が持続
既存の裁定経路の有無で反応が異なる
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国の指数追加銘柄で群差を確認。
- 取引費用
-
未確認
費用後の取引利益は未評価。
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本の指数採用は未検証。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
S&P 500へ採用された株を、上場オプションがある銘柄とない銘柄に分け、売値と買値の差が縮むかを調べた研究です。指数採用による価格上昇を、単なる買い需要と流動性改善のどちらで説明できるか比べます。
どうやって調べたのか
1984~1994年の指数追加銘柄について、採用前後の日次スプレッド、株価、出来高を追います。さらにオプション上場の有無で二群に分け、裁定取引がすでに存在する銘柄と存在しない銘柄で反応の持続性を比較します。
何が分かったのか
スプレッドの有意な縮小はオプション非上場銘柄に限られ、同群では株価と出来高も恒久的に増えました。オプション上場銘柄では出来高増は続く一方、株価上昇は一時的で、二群の結果が異なりました。
この結果をどう読めばよいか
非上場オプション群の結果は、指数裁定が情報効率と流動性を高めた説明と整合します。ただし指数採用一般が必ず恒久的な価格上昇を生むとはいえず、オプション市場の有無という条件を外して現在の銘柄へ当てはめられません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1984
〜1994 - 対象銘柄群
- S&P 500追加銘柄
- 観測頻度
- daily
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。
観測結果
指数追加とスプレッド
指数追加とスプレッド。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/j.1540-6288.1998.tb01612.x