株式市場の最良日・最悪日は下落局面に集中して現れるかを検証した研究
Where the Black Swans Hide & the 10 Best Days Myth
Mebane Faber(2011)『SSRNワーキングペーパー(査読誌未掲載)』
ひとことで言うと
株価の急騰日・急落日は偶然バラバラに起きるのではなく、下落相場の中に集中して現れやすいことを示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
下落局面に外れ値の日が集中
平穏な相場が続く局面
上昇・下落とも値動きの幅が比較的小さい
市場が下落局面入りする
外れ値の最良日・最悪日が集中
その多くが下落開始後の短期間に固まって出現する
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
著者の紹介記事で外れ値の発生時期の傾向を確認した
- 取引費用
-
未確認
取引コスト控除後の運用成果は測っていない
- 再現性
-
未確認
独立した第三者による追試は確認できていない
- 日本市場
-
未確認
日本市場が標本に含まれるか確認できていない
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
「長期保有なら最良の値上がり日を逃してはいけない」という主張はよく聞かれますが、その最良日や最悪日はいつ、どのような相場環境で起きているのでしょうか。この研究は、複数の株式市場の日次・月次データを使い、極端な値動きの日がランダムに散らばっているのか、それとも特定の時期に集中しているのかを問います。
どうやって調べたのか
著者は世界の複数の株式市場を対象に、日次と月次それぞれのリターンを時系列で並べ、上昇率・下落率が最も大きかった日を抽出した。抽出した外れ値の発生日が暦の上でどの程度近接しているか、また株価指数がすでに下落局面に入っていたかどうかを、市場ごとに突き合わせて確認する手法をとっている。定量的な統計モデルの詳細は著者本人の紹介記事からは確認できず、SSRN本文には自動アクセスできなかった。
何が分かったのか
分析の結果、最良日・最悪日として抽出された外れ値は互いに時間的に近い時期に固まって出現する傾向が確認された。さらに、その多くは株価指数が既に下落を始めていた局面で発生しており、平穏な上昇相場の最中に突然現れるケースは少ないという。著者本人の紹介記事ではこの傾向を強調しているが、具体的な集中度合いを示す数値や統計的検定の結果は記載が確認できていない。
この結果をどう読めばよいか
この結果は、「最良日を逃すと収益が大きく減る」という主張を単純に受け止める前に、その最良日がいつ・どんな相場環境で起きやすいかを考える材料になる。ただし本稿は査読誌に掲載された論文ではなくSSRN上のワーキングペーパーであり、独立した第三者による追試は本レコードでは確認していない。対象市場に日本が含まれるかも著者の紹介記事からは判別できず、日本市場への当てはめは慎重にする必要がある。
- 対象市場
- グローバル
- 標本期間
- 未確認(著者本人の紹介記事に対象期間の具体的な開始日・終了日の記載がなく、SSRN本文には403で自動アクセスできなかったため確認できていない)
- 対象銘柄群
- 世界の複数の株式市場指数(具体的な市場名・銘柄群は著者紹介記事に記載なし)
- 観測頻度
- 日次・月次(複数の時間軸で分析)
- 再現性
- 未評価査読誌に未掲載のSSRNワーキングペーパーであり、独立した第三者による追試の有無は本レコードでは確認していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価分析対象を「複数のグローバル市場」とする記載のみで、日本市場が標本に含まれるか著者本人の紹介記事からは確認できていない。
観測結果
外れ値日の時間的近接
株価指数の騰落率が最も大きかった日(外れ値の日)は、時間的に近接した時期に固まって出現する傾向がある。
効果量未掲載(not_reported)
著者本人の紹介記事で方向性のみ確認できた。集中度を示す具体的な数値はSSRN本文へ到達できず確認していない。
下落局面での外れ値発生
最良日・最悪日として抽出された外れ値の多くは、市場が既に下落を始めた後の局面で発生する。
効果量未掲載(not_reported)
著者本人の紹介記事に方向性の記述があるが、発生比率などの定量値はSSRN本文へ到達できず確認していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- SSRN公式ページ(識別子確認用。自動アクセスは403で不可)https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1908469
- 著者本人による論文紹介記事(実際に到達し確認)https://mebfaber.com/2011/08/12/where-the-black-swans-hide-and-the-ten-best-days-myth/