取引アプリの通知は損失株を持ち続ける傾向を強めるか
Fast-Thinking Attention and the Disposition Effect
Jesse Glaze(2022)『SSRN Electronic Journal』
ひとことで言うと
Robinhoodのプッシュ通知を注意が突然向く出来事として捉え、通知後に利益株を売り損失株を残す処分効果が弱まるか強まるかを検証した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
取引アプリの通知は損失株を持ち続ける傾向を強めるか
- 研究の問いRobinhoodのプッシュ通知が注意を突然向ける出来事として使えるか、また通知後に利益株を売り損失株を残す処分効果が弱まるか強まるかを検証します。
- 確かめ方2018~2020年のRobinhood利用者について、特定銘柄へのプッシュ通知の受信時点を外生的な注意喚起として扱います。
- 分かったこと通知による即時的な注意は処分効果を弱めず、利益株を相対的に売りやすい傾向を強める方向に関連しました。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
Robinhoodのプッシュ通知が注意を突然向ける出来事として使えるか、また通知後に利益株を売り損失株を残す処分効果が弱まるか強まるかを検証します。自発的なアプリ閲覧とは分けて考えます。
どうやって調べたのか
2018~2020年のRobinhood利用者について、特定銘柄へのプッシュ通知の受信時点を外生的な注意喚起として扱います。通知対象と非対象、保有者の含み益・含み損、通知後の売却行動を比較して注意の効果を識別します。
何が分かったのか
通知による即時的な注意は処分効果を弱めず、利益株を相対的に売りやすい傾向を強める方向に関連しました。注意を増やせば行動バイアスが自動的に解消する、という予想とは反対の結果です。損失株の売却促進にはなりませんでした。
この結果をどう読めばよいか
通知は注意のきっかけを比較的明確にしますが、利用者が無作為にアプリを選んだわけではありません。Robinhoodの利用者層、通知設計、当時の相場に依存し、現在の全証券アプリや個々の売却判断へ一般化できません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 2018
〜2020 - 対象銘柄群
- Robinhood利用者の通知受信と株式取引
- 観測頻度
- event
- 再現性
- 未評価独立した追試関係は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での成立は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
プッシュ通知が生む即応的な注意は処分効果を弱めず、むしろ強める方向に関連した。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表定義まで再確認していないため未収録。方向と概略のみを掲載する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- SSRN working paperhttps://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4121793