一回の株取引は、最終的に価格をどれだけ動かすのか
Measuring the Information Content of Stock Trades
Joel Hasbrouck(1991)『Journal of Finance』
ひとことで言うと
売買の直後だけでなく、その後に続く価格改定まで追い、一回の取引が最終的な株価へ残す影響を測る方法を示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
一回の株取引は、最終的に価格をどれだけ動かすのか
- 研究の問い買い注文の後に株価が上がったとき、その場の一時的な揺れと、新しい情報が価格へ定着した部分をどう分ければよいのでしょうか。
- 確かめ方NYSE銘柄について、取引と売り気配・買い気配の改定が時間を通じてどう影響し合うかを、複数の時系列を同時に扱うVARで推定しました。
- 分かったこと取引の価格影響はその場で完了せず、遅れて現れる改定を経て完成しました。
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
買い注文の後に株価が上がったとき、その場の一時的な揺れと、新しい情報が価格へ定着した部分をどう分ければよいのでしょうか。また、取引量や売買価格の開きによって情報の強さは変わるのでしょうか。
どうやって調べたのか
NYSE銘柄について、取引と売り気配・買い気配の改定が時間を通じてどう影響し合うかを、複数の時系列を同時に扱うVARで推定しました。取引直後の値動きだけでなく、後続する価格改定を積み上げ、最終的に残る価格への影響を測っています。
何が分かったのか
取引の価格影響はその場で完了せず、遅れて現れる改定を経て完成しました。取引量が大きいほど最終的な影響も大きい一方、増え方は比例ではなく次第に緩やかになる凹型でした。大口取引後には売値と買値の開きが広がり、もともと開きが大きい場面の取引ほど価格影響も大きいと報告されています。
この結果をどう読めばよいか
大口注文の直後の値動きだけを見ても、その取引が持つ情報量を測り切れないという示唆です。また、小型企業ほど情報格差が大きい傾向も報告されました。ただし抄録確認のため、標本の細部、推定誤差、頑健性までは検収できず、現代市場や日本株へ数値をそのまま移せません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1989
〜1989 - 対象銘柄群
- NYSE普通株
- 観測頻度
- intraday
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。
観測結果
取引の情報寄与
取引の情報寄与。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/j.1540-6261.1991.tb04619.x
- RePEc抄録ページhttps://ideas.repec.org/a/bla/jfinan/v46y1991i1p179-207.html