日本株の低ベータ優位はどの投資家行動と関係するか
The Beta Anomaly in the Japanese Equity Market and Investor Behavior
Seiichiro Iwasawa、Tomonori Uchiyama(2014)『International Review of Finance』
ひとことで言うと
日本株の高ベータ銘柄が相対的に低いリスク調整後収益となる現象を、海外機関投資家と国内個人の売買から調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
日本株の低ベータ優位はどの投資家行動と関係するか
海外機関投資家
高ベータ株を厚く保有し、資金流入時により買う
日本株の高ベータ銘柄に対する投資家別売買
国内個人投資家
低ベータ優位との関連は相対的に弱い
ベータ異常は海外勢の売買と強く関連
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
未確認
独立した別標本での追試は未評価です。
- 日本市場
-
一部のみ
日本市場の標本ですが、期間や制度が限定されます。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
高ベータ株の低いアルファは、借入制約など一般的な仕組みだけでなく、特定投資家の選好で生じるのでしょうか。海外機関投資家と国内個人で、高ベータ株への配分や資金増減時の売買が違うかを問います。
どうやって調べたのか
1978~2011年の日本上場株をベータで分類し、CAPMや三因子モデルに対するアルファを比較します。投資家別保有・売買データを用い、海外機関投資家と国内個人の高ベータ株への傾斜、資金流入・流出時の売買差を分析します。
何が分かったのか
ベータ異常は国内個人より海外機関投資家の行動に関連し、海外勢は高ベータ株を厚く保有すると報告します。投資増加時には高ベータ株をより買い、減少時にはより売り、海外投資が増える局面では異常が弱まるか反転しました。
この結果をどう読めばよいか
海外勢がベータ異常を単独で引き起こしたと断定する結果ではありません。保有とリターンの同時変化には市場環境も関わります。低ベータ株が常に高収益になる保証や、現在の外国人売買から翌月を予測する規則でもありません。
- 対象市場
- 日本
- 標本期間
- 1978
〜2011 - 対象銘柄群
- 日本上場株
- 観測頻度
- monthly
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接標本として検証した研究である。ただし対象期間・制度・銘柄群に依存するため、日本市場全般への一般化は別途評価が必要。
観測結果
低ベータ・アノマリー
低ベータ・アノマリー。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/irfi.12023