トレーリングストップを置いたとき、最適な売り方はどうなるか
Optimal Trading with a Trailing Stop
Tim Leung、Hongzhong Zhang(2019)『Applied Mathematics & Optimization』
ひとことで言うと
トレーリングストップを課した状態での最適な売り方を解き、指値売り注文との併用が最適だと証明した理論研究。
図で読む:この研究は何を比べたか
トレーリングストップの手前に、最適な売り方がある
- 価格モデルを置く資産価格を一般の線形拡散過程として表す
- 清算側を解くトレーリングストップ発動前の最適な売り方を導く
- 買い付け側を解く清算側の結果を使って買いと設定の最適領域を求める
- 併用の最適性指値売り注文をトレーリングストップと併せる形が最適となる
利益への距離
- 観測された差
-
対象外
実データの収益を測る研究ではなく、数理的な最適性の導出である。
- 取引費用
-
未確認
手数料や信用取引の費用は本レコードで確認していない。
- 再現性
-
未確認
標本を用いた追試という枠組みでは評価していない。
- 日本市場
-
未確認
日本市場のデータを用いた検証は行われていない。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
トレーリングストップは、価格が高値から一定の割合だけ下がった時点で自動的に売る仕組みです。この仕組みを置いた投資家は、それだけに任せるべきなのか、それとも別の売り注文を併せて出すべきなのか。買う時点の選び方も含めて、数理的に最適な形を問います。
どうやって調べたのか
資産価格を一般の線形拡散過程として表し、満期が価格の経路によって決まる最適二重停止問題を立てます。まずトレーリングストップが発動する前の最適な清算戦略を導き、その結果を使って、買い付けとトレーリングストップの設定を同時に行う場合の最適戦略を求めます。数値例では指数オルンシュタイン=ウーレンベック過程を用いて感度分析を行います。
何が分かったのか
トレーリングストップだけに任せるのではなく、指値売り注文を併用することが最適であると証明されました。買い付けと清算の最適領域を効率的に計算する数値解法も示されています。感度分析では、価格モデルのパラメータによって最適領域がどう動くかが調べられました。
この結果をどう読めばよいか
特定の市場データで成績を検証した研究ではなく、仮定した価格モデルの下での最適性を導いた理論研究です。したがって、現実の日経平均やレバレッジ型ETFで同じ形が最適になることを示すものではありません。手数料や信用取引の費用、税は本レコードで確認した範囲には含まれていません。
- 対象市場
- グローバル
- 標本期間
- 2019
〜2019 - 対象銘柄群
- 一般の線形拡散過程で表される資産価格(数値例は指数オルンシュタイン=ウーレンベック過程)
- 観測頻度
- not_applicable
- 再現性
- 未評価数理的な導出であり、標本を用いた追試という枠組みでの評価は行っていない。
- 日本市場での有効性
- 未評価特定市場のデータを用いた研究ではなく、日本市場での成立は評価していない。
観測結果
主要な観測結果
トレーリングストップを課した状態での最適な清算戦略を導き、指値売り注文をトレーリングストップと併用することの最適性を証明した。。
効果量未掲載(not_reported)
実データの成績を測る研究ではなく数理的な最適性の証明であり、効果量という形の値を持たない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1007/s00245-019-09559-0
- arXivプレプリントhttps://arxiv.org/abs/1701.03960