株式プレミアムは標準的な均衡モデルで説明できるか
The Equity Premium: A Puzzle
Rajnish Mehra、Edward C. Prescott(1985)『Journal of Monetary Economics』
ひとことで言うと
米国で観測された株式と安全資産の収益率差を、標準的な一般均衡モデルが同時には説明しにくいと示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
株式と安全資産の収益率差をモデルは説明できるか
米国の株式と財務省短期証券の平均収益率
一般均衡モデルの制約を設定
妥当な選好条件で許される差を求める
長期データと照合
制約との大きな食い違いを確認
仕様と測定を点検
結論は頑健と報告
株式プレミアムの説明困難
個人の保有行動は直接測っていない
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
米国の市場収益率とモデル制約の食い違いを観測した。
- 取引費用
-
未確認
個人の売買費用控除後成果は検証していない。
- 再現性
-
未確認
後続の説明や追試は本レコードで未評価。
- 日本市場
-
未確認
日本市場は対象外。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
株式の平均収益が財務省短期証券より高かったという米国の長期観測は、消費と資産価格を結ぶ一般均衡モデルの妥当な条件で説明できるか。大きな株式収益と小さな安全資産収益を同時に再現できるかを問います。
どうやって調べたのか
1889年から1978年の米国における株式と財務省短期証券の平均収益率を、代表的個人を置く一般均衡モデルが許す範囲と照合します。モデル仕様を変えた場合や、利用した消費・収益データの測定上の問題に対して結論が保たれるかも検討します。
何が分かったのか
対象モデルが株式と財務省短期証券の平均収益率へ課す制約は、米国データによって大きく棄却されました。歴史的に大きい株式収益と小さい安全資産収益を同時に合理化するには、対象としたアロー・ドブリュー型とは異なるモデル構造が必要だと結論づけました。
この結果をどう読めばよいか
これは市場に居続ける人が売買判断を減らすことで追加収益を得るかを検証した研究ではありません。株式プレミアムという市場全体の観測事実と理論上の説明困難を示す土台であり、個人の保有行動や日本株の成果へ直結させることはできません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1889〜1978
- 対象銘柄群
- 米国の株式と財務省短期証券の平均収益率
- 観測頻度
- annual
- 再現性
- 未評価後続研究による説明候補や独立追試は本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価米国の長期データと理論モデルを対象とし、日本市場は検証していない。
観測結果
主要な観測結果
一般均衡モデルが株式と財務省短期証券の平均収益率へ課す制約は米国データと大きく食い違った。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料ページの抄録が報告する方向のみを収録し、効果量は補完していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1016/0304-3932(85)90061-3
- Arizona State University研究成果ページhttps://asu.elsevierpure.com/en/publications/the-equity-premium-a-puzzle/