S&P500採用後の流動性と企業価値の関係
S&P 500 Index Addition, Liquidity Management and Tobin's Q
Petya Platikanova(2016)『Accounting & Finance』
ひとことで言うと
S&P500への追加で株式が売買しやすくなった後、企業の資金管理や投資、企業価値指標がどう変わるか調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
指数採用後の売買しやすさは、企業行動にも結び付くか
- S&P500へ追加株式流動性が改善
- 企業の資金管理と投資政策との関係を調べる
- 企業価値指標Tobin's Qとの関連
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
流動性と企業指標の関連を観測.
- 取引費用
-
未確認
売買戦略の研究ではない.
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価.
- 日本市場
-
未確認
米国指数で日本は未検証.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
指数採用による流動性改善は株式市場内の現象だけでしょうか。それとも経営者の現金保有や投資判断を変え、最終的に企業価値へつながるのでしょうか。採用前後の企業行動との関連を問います。
どうやって調べたのか
1990~2005年のS&P500追加企業を対象に、採用後の株式流動性、流動性管理、資金・投資政策、Tobin's Qの変化を年次データで分析します。指数追加を企業の株式流動性が変わる出来事として利用します。
何が分かったのか
指数採用後の株式流動性改善と、企業の流動性管理や投資政策、Tobin's Qとの関係を報告します。市場での売買しやすさが企業側の意思決定や評価とも結び付く可能性を検討した点が特徴です。
この結果をどう読めばよいか
Tobin's Qとの関連を、指数採用が必ず企業価値を高めるという保証にはできません。指数へ選ばれる企業は元から異なる可能性があり、企業政策が変わる経路の解釈には識別上の注意が必要です。日本の指数採用へも直接移せません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1990
〜2005 - 対象銘柄群
- S&P 500追加企業
- 観測頻度
- annual
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接検証していないため、日本株への適用可能性は未評価。
観測結果
指数追加と企業の流動性管理
指数追加と企業の流動性管理。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/acfi.12105