日経平均への採用前に空売りはどう動くか
Strategic Short Selling Around Index Additions: Evidence from the Nikkei 225
Naoya Shiomi、Hidetomo Takahashi、Peng Xu(2021)『International Review of Finance』
ひとことで言うと
日経225追加銘柄で、指数連動ファンドの買い需要を見越した空売りが実施日前後にどう動くか調べた研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
日経225採用前後に、空売りはどう動いたか
追加実施前
予想可能な買い需要
空売りで流動性を供給
実施後
買い戻し
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
空売りの時系列を観測.
- 取引費用
-
一部のみ
利益方向は示すが貸株費用で変わる.
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価.
- 日本市場
-
一部のみ
日経225だが過去制度に限定.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
指数採用の実施日には大口の機械的買いが予想されます。空売り投資家は価格下落を予想して早く売るのか、それとも実施直前の買い圧力へ流動性を供給し、その後に買い戻すのでしょうか。
どうやって調べたのか
2002~2017年の日経225追加銘柄について、日次の空売りデータを採用発表から実施後まで追います。実施直前の空売り増加、実施後の買い戻し、指数連動買いによる価格圧力との時点対応を分析します。
何が分かったのか
空売り投資家は指数追加の実施直前に売り、実施後に買い戻すと報告します。大口投資家の予想可能な買い圧力へ流動性を供給し、その価格調整から利益を得る行動として解釈されました。短期需給を読む取引として位置付けられます。
この結果をどう読めばよいか
空売りが指数採用銘柄の長期下落を予測した結果ではありません。短期の需給イベント周辺の行動で、除外銘柄や他指数へ同じ形を仮定できません。貸株費用、規制、実施ルールが変われば採算も変わります。
- 対象市場
- 日本
- 標本期間
- 2002
〜2017 - 対象銘柄群
- 日経225追加銘柄
- 観測頻度
- daily
- 再現性
- 未評価独立した標本外再現を本レコードでは評価していない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場を直接標本として検証した研究である。ただし対象期間・制度・銘柄群に依存するため、日本市場全般への一般化は別途評価が必要。
観測結果
指数追加前後の空売り
指数追加前後の空売り。
効果量未掲載(not_reported)
一次資料で主要結論は確認したが、定義を統一できる効果量は本レコードでは採録していない。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社・公式論文ページhttps://doi.org/10.1111/irfi.12303