銘柄を分散した投資信託でも、極端な損失リスクは増えることがあるか
The Effect of Diversification on Tail Risk: Evidence from US Equity Mutual Fund Portfolios
Simon Xu、Inchang Hwang、Francis In(2016)『International Review of Finance』
ひとことで言うと
銘柄数を増やして通常の値動きを分散しても、米国株式投資信託では極端な損失側のリスクがかえって強まる場合を示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
銘柄を増やせば、暴落時の危険も必ず減るのか
通常の分散
通常時の変動を抑える
リスクの物差し
極端損失側
露出がかえって強まる場合
標準偏差と暴落リスクは別
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
テールリスク差を観測.
- 取引費用
-
未確認
売買利益の研究ではない.
- 再現性
-
未確認
独立再現は未評価.
- 日本市場
-
未確認
米国投信で日本は未検証.
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
分散投資は値動きのばらつきを小さくする基本手段ですが、平均と分散だけで組んだポートフォリオは暴落のような極端な損失にも強いのでしょうか。保有銘柄を広げるほど、分布の端にある危険も必ず小さくなるのかを検証します。
どうやって調べたのか
米国株式投資信託のポートフォリオを対象に、平均と分散だけでなく、歪みや裾の厚さを捉える高次モーメントと、外れ値に左右されにくいテール重量の尺度を使いました。一般的な平均・分散型ポートフォリオと基準ポートフォリオを比較しています。
何が分かったのか
抄録で確認できる結論では、市場で標準的な平均・分散の枠組みに基づくポートフォリオは、基準ポートフォリオよりテールリスクが大きく、分散化がその極端損失への露出をさらに強めました。通常時の分散低下と、暴落側の危険低下は同じではないことを示します。
この結果をどう読めばよいか
『分散投資は無意味』という研究ではありません。分散を評価する物差しを標準偏差だけにすると、銘柄が同時に大きく下がる危険を見落とすという警告です。抄録では標本期間、構築法、効果量を確認できないため、日本の投信や個人の分散数へ直接換算できません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 2000
〜2011 - 対象銘柄群
- 米国株式投資信託。期間は概略
- 観測頻度
- 論文ごとの分析頻度(書誌・抄録では詳細未確認)
- 再現性
- 未評価独立した追試研究との対応は未評価。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場への適用可能性は本レコードでは評価していない。
観測結果
主要な観測結果
米国株式投資信託の保有分散化がテールリスクへ与える影響を実証的に評価する。。
効果量未掲載(not_reported)
効果量は一次資料の表・定義まで検収していないため未収録。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1111/irfi.12080
- 出版社の抄録ページhttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/irfi.12080