手口データの正体

当サイトで「手口」と呼んでいるデータの元は、日本取引所グループ(JPX)が公表する「取引参加者別取引高」です。毎営業日17:45頃に公表され、認証を必要とせず閲覧できる公開データです。

ここで集計されているのは、取引参加者ごとの取引高です。当サイトでは日経225オプションと先物ラージ(NK225F)を対象に、日々のデータを集計しています。

オプションについては、単に「オプション全体」でまとめるのではなく、コールまたはプット、限月、行使価格の組み合わせごとに扱います。同じ取引参加者でも、どの限月のどの行使価格で取引高が発生しているかによって、表示される位置は変わります。

したがって、手口を見る最初の段階では「誰が買ったのか」を探すのではなく、「どの取引参加者に、どの銘柄・条件で、どれだけの取引高が記録されたか」を確認するデータとして読む必要があります。

売買不明の総量

手口の数値から、その取引参加者が買い越したのか、売り越したのかを判定することはできません。表示されているのは、その参加者がその銘柄をどれだけ売買したかという総量だからです。

たとえば、ある参加者の取引高が大きく増えていても、その数字だけを見て「大量に買った」「大量に売った」と読み替えることはできません。取引高の増加から直接確認できるのは、取引量が増えたというところまでです。

整理すると、手口データの読み方は次のようになります。

表示・データ 確認できること 直接は確認できないこと
取引参加者別取引高 参加者ごとの売買総量 買い越し・売り越し
オプション手口 コール/プット・限月・行使価格別の取引量 売買の方向
重心 取引高が集まった位置の把握 将来の値動き

数字が大きいことと、その参加者が特定方向のポジションを増やしたことは同じ意味ではありません。この区別が、手口を見るうえで最も重要な前提になります。

参加者区分の位置づけ

当サイトでは、個々の取引参加者を「海外勢」「ネット個人」「その他」というグループに分け、日別に集計しています。ただし、この3分類はJPXが公表している公式区分ではありません。当サイト独自の分類です。

元データであるJPXの取引参加者別取引高と、サイト上で表示する参加者グループは分けて考える必要があります。元データそのものを変更しているわけではありませんが、複数の参加者をどのグループとしてまとめるかという整理は当サイト側で行っています。

そのため、「海外勢の取引高」と表示されている場合も、それはJPXが「海外勢」という項目を公表しているという意味ではありません。当サイトの分類に基づき、該当する取引参加者のデータをまとめた表示です。

グループ別の推移を見るときは、まずこの分類方法を前提として読む必要があります。

重心線の位置づけ

チャートには、取引高の「重心」と、その先へ伸びる線が表示される場合があります。この延長線も、将来を示すための線ではありません。

当サイトでは、直近の取引高重心に直線をあてはめ、その直線を先の領域まで機械的に延長しています。つまり、過去から直近までの重心の並びを使った外挿です。

画面上では線が未来の日付まで続くため、将来の重心位置を示しているように見えることがあります。しかし、この線について将来の価格や重心をどの程度正確に示せるかを保証するものではありません。

見る対象は、まず実際に観測された各営業日の重心です。延長部分は、その直近の並びを同じ直線のまま伸ばした場合にどこへ続くかを可視化した参考線として扱います。

確認範囲の整理

手口データから確認できるのは、取引参加者ごとの取引高と、その取引がどの銘柄・限月・行使価格に現れているかです。当サイトのグループ集計を使えば、独自分類に基づく海外勢・ネット個人・その他の取引高推移も確認できます。日別のアーカイブがあり、各営業日のサマリーデータはJSON形式でも配布しています。

一方、手口の数字だけから買い越し・売り越しを特定することはできません。重心の延長線から将来の価格や重心を確定的に読み取ることもできません。

また、JPXが毎営業日20時頃に公表する銘柄別建玉残高は、手口とは別系統のデータです。当サイトでは、ATMから大きく離れた「ディープ帯」の建玉に異常な増減がないかを見るためにも利用しています。ただし、建玉の増減から売買の方向を特定することはできず、「ロング型」「ショート型」などの型も行使価格の位置から立てた仮説です。

つまり、手口で確認するのは取引高、建玉残高で確認するのは残っている建玉の変化です。どちらも観測できる事実と、その先の解釈を分けて読むことが重要です。

本記事は公開データと当サイトの集計規則の説明です。売買推奨・投資助言ではありません。

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出典一覧