結論

米国の401(k)・DC制度を扱った研究では、自社株への集中は、過去の株価成績を将来へ外挿する行動や、自社株への拠出を促し分散を制限する制度設計、自社株リスクの過小評価と関連して報告されています。

Benartzi(2001)は、1993年12月時点のS&P500構成企業のうち11-k報告を提出した136〜154社を分析しました。過去10年リターンが最低の企業群では任意拠出の10.37%、最高の企業群では39.70%が自社株へ配分されていました。一方、自社株配分の多寡は、その後の株価成績を予測しなかったと報告しています。

MitchellとUtkus(2002)は、米国の雇用者提供型DC制度について複数の調査データとシミュレーションを検討しました。大企業のDC制度では、拠出を自社株へ誘導し分散を制限する設計が集中保有につながりやすく、参加者には自社株リスクを過小評価し、過去の株価成績へ依存する傾向があると報告しています。効果量の数値は台帳には収録されておらず、この研究はNBERワーキングペーパーで、査読誌には掲載されていません。

参照した研究

  • 過去の株価成績が低い企業ほど自社株比率が低く、事後の株価は予測しなかったと報告 台帳のレコードを見る
  • 拠出を自社株へ誘導する制度設計と自社株リスクの過小評価が集中保有につながると報告 台帳のレコードを見る

限界

いずれも米国を対象とした研究で、日本への適用可能性は評価されていません。日本の持株会や奨励金を含む制度については、この台帳では検証されていません。