結論

方向は揃いやすい一方、株価の変動は利益より大きいと報告されています。 Campbell & Shiller (1988) は、米国集計の最適予測が移動平均利益と現在価格の加重平均で、 利益側の重みがおよそ3分の2から4分の3だと述べています。

指数が高いときに市場PERも高いか、という問いは、利益が価格よりゆっくり動くなら、 定義のうえでも正の向きになりやすい関係です。台帳の研究が報告しているのは、 その機械的な向きを超えて、価格と利益のどちらが将来の配当価値を運んでいるかです。

Campbell & Shiller (1988) は、1871年から1986年の米国集計株式市場を対象に、 長期の実質利益平均が将来の実質配当の現在価値の良い予測になると報告しています。 各年の最適予測は、移動平均利益と現在の実質価格の加重平均であり、利益側の重みは およそ3分の2から4分の3だと述べています。単純な現在価値モデルは強く棄却され、 年次リターンの変動は理論値の2倍から4倍だと報告しています。

同じ研究は、株価の超過ボラティリティが長期リターンの予測可能性を直接含意すると 論じています。同時点で価格と評価倍率が同じ向きに動きやすいことと、その倍率が 翌月の指数を読むこととは、別の観測です。後者は予測可能性の問いとして、 別のFAQで扱います。

Campbell & Yogo (2006) は、平滑化した利益株価比と配当株価比が将来リターンを 予測するかを、持続性に頑健な検定で調べています。これは同時点の高低ではなく、 評価倍率の時系列予測力の検定です。

  • 米国集計では、最適予測の重みは利益側がおよそ3分の2から4分の3だと報告されている
  • 年次リターンの変動は、単純な現在価値モデルの理論値の2倍から4倍だと報告されている
  • 同時点の向きと、その後のリターン予測は、別の問いとして扱われている

観測されているのは米国集計の価格・利益・配当の関係です。日経が公表する日経平均PERと 日経平均株価の相関係数そのものは、これらの研究では報告されていません。

参照した研究

限界

いずれも米国集計の標本であり、日本市場と日経平均PERは対象に含まれていない。 取引費用を差し引いた後の評価も行われていない。同時点の相関係数そのものを 報告した研究は、台帳に収録がない。