結論

台帳収録研究では、取り崩し期の成否は平均的なリターンだけでなく、リターンが生じる順序にも左右されると報告されています。Bengenの歴史標本でも、退職直後に弱気相場へ遭遇したケースの持続年数が短くなりました。

Moshe A. MilevskyとChris Robinson(2005)は、投資リターン・リスク、死亡率推定、支出率を確率論的現在価値として扱い、退職後の破綻可能性や持続可能な支出率を解析する枠組みを提示しました。台帳には具体的な効果量や標本期間の数値は収録されておらず、方向のみ確認されています。

Andrew Clareら(2020)は、米国株式・債券を用いた退職後取り崩しシミュレーションで、目標達成確率を直接評価する3種類のシーケンスリスク測定尺度を提案しました。また、グライドパス型商品がシーケンスリスクに強く曝されると報告しています。具体的な効果量は台帳に収録されていません。

William P. Bengen(1994)の米国1926〜1976年の標本では、1960年代後半から1970年代前半に退職し、取り崩し開始後の早い時期に弱気相場へ遭遇したケースで資産の持続年数が短くなりました。初年5%取り崩しでは、この時期の退職者で最短約20年と報告されています。

参照した研究

限界

MilevskyとRobinsonは理論的枠組みが中心で、Clareらも台帳には具体的な効果量が収録されていません。ClareらとBengenはいずれも米国を中心とする検証で、日本市場での同様の大きさは確認されていません。