バリューとモメンタムは複数資産の横断比較で同時に現れる

Value and Momentum Everywhere

Clifford S. Asness、Tobias J. Moskowitz、Lasse Heje Pedersen(2013)『The Journal of Finance』

ひとことで言うと

米国・英国・欧州・日本の個別株と株価指数・債券・通貨・商品で、割安対割高と過去リターンの横断比較を同時に測った研究です。

図で読む:この研究は何を比べたか

仕組みの経路 検証済みの数値

横断の割安対割高は指数PERとは別の問い

  1. 各市場内で順位を付ける簿価時価比と過去12か月リターン(直近1か月除く)で証券を並べる。
  2. 高群と低群を作る3分位の高マイナス低と、シグナル加重のゼロコスト要因を作る。
  3. 市場横断で同じ測り方個別株4市場と指数・債券・通貨・商品でも同じ横断比較を使う。
  4. 日本株の方向を確認するバリューは年率12.0%(t=4.31)、モメンタムは1.7%(t=0.57)。
日本個別株のバリュー高マイナス低は年率12.0%、モメンタムは1.7%。測っているのは同一時点の横断比較であり、日経平均PERと指数水準の時系列ではない。

利益への距離

観測された差

確認された

研究標本内で横断のプレミアムが表に報告されている。

取引費用

未確認

主表は米国Tビル超過の粗リターンであり、取引費用控除後ではない。

再現性

未確認

独立標本での追試は本レコードでは評価していない。

日本市場

一部のみ

日本個別株は標本に含まれるが、測るのは横断の簿価時価比であり指数PERではない。

研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。

この研究を読み解く

何を知りたかったのか

バリューとモメンタムは米国個別株だけの現象なのか、それとも市場や資産の種類を変えても同じ方向で現れるのか。また、両者を同時に見ると共通の動きがあるのか。ここで測るバリューは、同一時点の銘柄間で割安と割高を比べる横断比較であり、日経平均PERと指数水準の時系列の対応とは別の問いです。

どうやって調べたのか

1972年1月から2011年7月の月次データで、米国・英国・欧州・日本の流動性の高い個別株と、18か国の株価指数先物、10通貨、10か国国債、27商品先物を対象にします。個別株の日本標本は1974年1月から。株式のバリューは簿価時価比、モメンタムは直近1か月を除く過去12か月リターンです。各市場内で高・中・低の3群に分け、高マイナス低とシグナル加重のゼロコスト要因を作ります。

何が分かったのか

調べた市場と資産クラスでバリューとモメンタムのプレミアムが一貫して観測され、両者は互いに負の相関を示しました。日本個別株(1974年1月〜2011年7月)では、簿価時価比の高マイナス低の年率平均超過リターンは12.0%(t=4.31)だった一方、モメンタムの高マイナス低は1.7%(t=0.57)でした。全資産をまとめた50対50の組み合わせは年率5.0%(t=8.77)でした。

この結果をどう読めばよいか

観測されているのは同一時点の横断比較であり、日経平均PERが低い時期に指数を持てばその後上がる、といった時系列の対応ではありません。日本株ではバリューは明瞭でもモメンタムは通常の有意水準に届いていません。表の数字は米国短期金利を引いた粗リターンで、取引費用や税の控除後ではありません。独立した追試は本レコードでは評価していません。

対象市場
グローバル
標本期間
1972-012011-07
対象銘柄群
米国・英国・欧州大陸・日本の流動性の高い個別株、18か国の株価指数先物、10通貨、10か国国債、27商品先物。 全系列は月次で2011年7月まで。米国株と商品は1972年1月、日本株と欧州株は1974年1月、株価指数は1978年1月、 通貨は1979年1月、国債は1982年1月から。日本個別株はDatastream/Worldscopeで、平均471銘柄(最少148)、 時価総額上位おおむね26%に限る。株式のバリューは簿価時価比、モメンタムは直近1か月を除く過去12か月リターン。
観測頻度
monthly
再現性
未評価バリューとモメンタムの複数資産での同時観測について、独立標本での再現は本レコードでは評価していない。モメンタムの古典を内部evidenceとして参照するに留める。
日本市場での有効性
結果混在日本個別株(1974年1月〜2011年7月、平均471銘柄)が標本に含まれる。バリュー(簿価時価比の横断比較)は 年率12.0%(t=4.31)と明瞭だが、モメンタムは年率1.7%(t=0.57)で通常の有意水準に届かない。 測っているのは同一時点の割安対割高であり、日経平均PERと指数水準の時系列対応ではない。

観測結果

全資産クラスのバリュー高マイナス低

全市場・全資産クラスをまとめたバリュー3分位の高マイナス低の年率平均超過リターン。

効果量4.6 %(年率、米国Tビル超過)(gross)

原典Table I、Global all asset classes、1972年1月〜2011年7月。t値4.55。取引費用控除前。

全資産クラスのモメンタム高マイナス低

全市場・全資産クラスをまとめたモメンタム3分位の高マイナス低の年率平均超過リターン。

効果量5.0 %(年率、米国Tビル超過)(gross)

原典Table I、Global all asset classes、1972年1月〜2011年7月。t値4.18。取引費用控除前。

日本個別株のバリュー高マイナス低

日本個別株の簿価時価比3分位の高マイナス低の年率平均超過リターン。

効果量12.0 %(年率、米国Tビル超過)(gross)

原典Table I、Japan stocks、1974年1月〜2011年7月。t値4.31。横断の簿価時価比であり、日経平均PERではない。

日本個別株のモメンタム高マイナス低

日本個別株のモメンタム3分位の高マイナス低の年率平均超過リターン。

効果量1.7 %(年率、米国Tビル超過)(gross)

原典Table I、Japan stocks、1974年1月〜2011年7月。t値0.57で、通常の有意水準には届かない。

効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。

追試の記録

この結果を追試した研究として、当サイトが台帳に持っているレコードです。

  • 独立研究分野背景 米国株のモメンタムの古典であり、本論文が複数資産クラスで行う横断比較の追試ではない。 関連研究のレコードを見る

「独立研究」は原典と著者が重ならない研究、「同一著者」は原典の著者を含む研究です。追試の件数は網羅ではありません。

限界

原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。

  • 取引コスト控除前

原典と利用条件

提供元
publisher
メタデータライセンス
other
本文再利用
none
原典確認日
2026-08-13
解説の確認範囲
本文まで確認
解説確認日
2026-08-13
レコード更新日
2026-08-13
機械可読レコード
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