過去の勝者を買い敗者を売る戦略は利益を生んだか
Returns to Buying Winners and Selling Losers
Narasimhan Jegadeesh、Sheridan Titman(1993)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
米国株を過去3~12か月のリターンで順位付けし、勝者を買い敗者を売るモメンタム戦略の将来成績を調べた基礎研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
過去の勝者を買い敗者を売る戦略は利益を生んだか
過去の勝者群
その後も相対的に高いリターン
過去3〜12か月のリターン順位
過去の敗者群
その後も相対的に低いリターン
勝者群を買い敗者群を売る差が正方向
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
確認された
追加標本と独立研究の統一実装で方向が再現されています。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
過去の相対的な好成績がその後も続くなら、株価は公開された過去リターンを即時かつ完全には反映していない可能性があります。その利益が市場リスクや共通要因への反応遅れで説明できるかを問います。
どうやって調べたのか
1965~1989年のNYSE・AMEX普通株を過去リターンで勝者群と敗者群へ分け、3~12か月の形成・保有期間を組み合わせます。両群の将来差を測り、系統リスク、共通要因への遅延反応、決算発表周辺の動きも検討します。
何が分かったのか
勝者を買い敗者を売る複数の戦略が有意な正のリターンを生み、系統リスクや共通要因への単純な遅延反応では説明されないと報告します。初年度の異常リターンの一部は、その後2年間に失われる反転も確認しました。
この結果をどう読めばよいか
短期の継続と長期の部分反転を混同できません。また、これは取引費用控除前の歴史的米国標本です。後続研究で方向と有意性は再現されても効果量縮小が報告されており、日本市場や現在の実装を直接支持しません。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1965-01
〜1989-12 - 対象銘柄群
- NYSE・AMEX上場普通株
- 観測頻度
- monthly
- 再現性
- 標本外で再現米国の追加標本と独立研究者の統一実装で方向と通常の有意性は再現された。効果量の安定性や日本市場での成立を意味しない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場の標本を用いた検証は本レコード群では評価していない。
観測結果
主要な観測結果
過去リターンで構成した勝者群と敗者群の将来リターン差。
効果量未掲載(gross)
効果量はこの初期レコードでは未評価。数値は原典の定義と表を確認して追加する。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
追試の記録
この結果を追試した研究として、当サイトが台帳に持っているレコードです。
- 同一著者による米国の追加標本で通常の有意性が再現された。 関連研究のレコードを見る
- 独立研究者の統一実装では米国標本で有意性を再現したが効果量は縮小した。時間減衰を示す関係とは断定しない。 関連研究のレコードを見る
「独立研究」は原典と著者が重ならない研究、「同一著者」は原典の著者を含む研究です。追試の件数は網羅ではありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.1993.tb04702.x