米国株のモメンタムは追加期間でも続き数年後に反転するか
Profitability of Momentum Strategies: An Evaluation of Alternative Explanations
Narasimhan Jegadeesh、Sheridan Titman(2001)『The Journal of Finance』
ひとことで言うと
モメンタム収益は1990年代にも続き、元結果がデータ探索だけではないことを示しましたを示した研究です。
図で読む:この研究は何を比べたか
米国株のモメンタムは追加期間でも続き数年後に反転するか
過去の勝者群
追加期間でも相対的優位が続く
過去リターン順位を新しい1990年代標本で再検証
過去の敗者群
勝者群を下回り、後年には反転も現れる
元のモメンタム結果は新標本でも継続
利益への距離
- 観測された差
-
確認された
研究標本内で報告された方向です。
- 取引費用
-
未確認
売買費用を引いた利益は本レコードで未確認です。
- 再現性
-
一部のみ
再検証に関する結果ですが、条件や効果量に限界があります。
- 日本市場
-
未確認
日本市場での成立は検証していません。
研究で観測された差は、そのまま得られる利益ではありません。4つの関門はそれぞれ独立に読んでください。
この研究を読み解く
何を知りたかったのか
1993年の発見がデータ探索の偶然だったのか、企業ごとの期待収益差なのか、投資家の反応が遅れて行き過ぎるためなのかを、研究後の新しい標本で比べます。 比較対象は元研究後の未使用期間です。
どうやって調べたのか
1990~1997年のNYSE・AMEX株で、低価格株を除く6か月形成・6か月保有戦略を再実行します。形成後5年まで勝者と敗者の差を追い、短期継続と長期反転を調べます。 NASDAQを除き形成時5ドル未満も外します。
何が分かったのか
モメンタム収益は1990年代にも続き、元結果がデータ探索だけではないことを示しました。2~3年では反転せず、4~5年後に有意な反転が現れ、固定的な期待収益差だけの説明を退けます。 反転時期が短期説明と長期説明を分けます。
この結果をどう読めばよいか
長期反転は行動モデルと整合しますが、投資家心理を直接測った因果証拠ではありません。同一著者の米国追加標本であり、日本市場や費用控除後の実行収益まで再現したとはいえません。 同一著者の追試である点も独立再現と区別します。
- 対象市場
- 米国
- 標本期間
- 1990-01
〜1997-12 - 対象銘柄群
- NYSE・AMEX上場株(NASDAQを除外し、形成時の株価が5ドル未満の銘柄を除外)
- 観測頻度
- monthly(6か月形成・6か月保有)
- 再現性
- 標本外で再現同一著者による追加標本で元研究のモメンタム結果が再現された。独立追試ではなく、効果量の不変性も意味しない。
- 日本市場での有効性
- 未評価日本市場での有効性は評価していない。
観測結果
標本外でのモメンタム継続
6か月形成・6か月保有戦略の勝者群と敗者群のリターン差。
効果量未掲載(gross)
効果量は本レコードでは未掲載。元研究と同程度の継続が追加標本で観測された。
長期反転
形成後4〜5年における勝者群と敗者群の相対リターンの反転。
効果量未掲載(gross)
効果量は本レコードでは未掲載。短期の継続後、4〜5年後に反転が観測された。
効果量は原典の掲載値です。当サイトが再計算したものではなく、将来のリターンを示すものでもありません。
追試の記録
この結果を追試した研究として、当サイトが台帳に持っているレコードです。
- 同一著者が1990〜1997年の米国追加標本で元研究の方向と通常の有意性を再現した。 関連研究のレコードを見る
「独立研究」は原典と著者が重ならない研究、「同一著者」は原典の著者を含む研究です。追試の件数は網羅ではありません。
限界
原典の設計上、この結果をそのまま一般化できない条件です。
原典と利用条件
- 出版社ページ(DOI)https://doi.org/10.1111/0022-1082.00342
- NBER Working Paperhttps://www.nber.org/papers/w7159