結論

台帳に収録した研究では、報告されていません。評価倍率の研究は、米国集計の自前PERや CAPE、個別株の益回りを使うのが通例です。日経平均PERという特定系列の相関係数は、 示されていない状態です。

読者が手元で見る「日経平均」と「日経平均PER」は、日本経済新聞社が公表する 特定の系列です。学術研究が同じ系列の相関係数を直接報告しているかは、 別の問いです。

Campbell & Shiller (1988) が使うのは、1871年から1986年の米国集計の実質利益・ 実質配当・実質株価です。Siegel (2016) が検討するのは、米国株のCAPEに入れる 利益をGAAPからNIPA税引後企業利益へ入れ替えた場合の見通しです。どちらも 日経平均PERではありません。

日本株を直接の標本とする研究はあります。Chan, Hamao & Lakonishok (1991) は 1971年から1988年の東証個別株で、益回り・簿価時価・キャッシュフロー利回りと 期待リターンの関係を調べています。Liang (2019) は日本株の配当利回り・ キャッシュフロー利回り・鉱工業生産を系統要因として扱います。到達した抄録は、 日経が公表する日経平均PERの使用を記していません。

  • 評価倍率の古典は、米国集計の自前系列を使う
  • 日本株の研究は、個別株の益回りや簿価時価を使う
  • 日経平均PERと日経平均株価の相関係数を直接報告したレコードは、台帳にない

「示されていない」は、相関が無いと示されたことではありません。 日経平均PERという特定系列については、検証されていない、というのが現在の状態です。

参照した研究

限界

日経平均PERの算出方法(予想と実績、赤字企業の扱い、加重)そのものを検証した研究も、 台帳には収録がない。日本市場の個別株研究は存在するが、指数系列の同時点相関とは 別の問いである。