株式の長期的な超過リターンが将来も同様に続くことは、これまでの研究で示されていますか
結論
この台帳の研究から、過去の株式プレミアムが将来も同程度に続くとは示されていません。米国 1951〜2000年では実現プレミアム7.43%に対し期待値推計は2.55〜4.32%で、過去の実現値をそのまま将来へ外挿することには慎重な結果が並びます。
Rajnish MehraとEdward C. Prescott(1985)は、1889〜1978年の米国データを用い、消費と資産価格を結ぶ一般均衡モデルが株式と財務省短期証券の平均収益率へ課す制約は、実測値と大きく食い違うと報告しました。歴史的に大きい株式プレミアムを標準的な理論モデルで同時に説明することの難しさを示した研究で、投資家の保有行動を直接検証したものではありません。
Eugene F. FamaとKenneth R. French(2002)は、1951〜2000年の米国株式市場を分析し、実現株式プレミアムが年率7.43%だったのに対し、配当成長モデルによる期待株式プレミアムを2.55%、利益成長モデルでは4.32%と推計しました。この乖離を、要求収益率の低下による予期しない資本利得に帰しており、過去の実現プレミアム全体を将来の期待値として扱う根拠にはしていません。
Elroy Dimson、Paul Marsh、Mike Staunton(2004)は、国際的な長期株式・債券リターンを比較し、過去の実質リターンと標準偏差をそのまま外挿すると、株式投資の損失確率を過小評価し、将来リターンを過大評価しがちだと論じました。台帳では具体的な効果量は未収録で、方向のみ確認されています。
Ivo WelchとAmit Goyal(2008)は、1872〜2005年の米国株式プレミアムを用いて既報の予測モデルを検証し、標本内・標本外の予測性能が弱く不安定だったと報告しました。1975年以降の標本外では、歴史平均を上回ったモデルはなかったとされており、将来の株式プレミアムを安定して予測できたという結果ではありません。
参照した研究
- 一般均衡モデルの制約は米国の実測データと大きく食い違うと報告(株式プレミアムパズル) 台帳のレコードを見る
- 実現プレミアム7.43%に対し期待値推計は2.55〜4.32%にとどまると報告 台帳のレコードを見る
- 過去の実質リターンの単純外挿は将来リターンを過大評価しがちと論じた 台帳のレコードを見る
- 1975年以降の標本外予測は歴史平均を安定して上回れなかったと報告 台帳のレコードを見る
限界
Mehra-Prescott、Fama-French、Goyal-Welchはいずれも米国市場の研究で、日本市場への適用は台帳では検証されていません。Dimson・Marsh・Stauntonも到達した抄録から国数・期間・日本の含有を確認できず、各研究とも日本の商品・費用条件・制度を直接扱ったものではありません。